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Blocking Of Traffic !!(サンプル)

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トムは視界の端に人影を捕らえると大きく溜息を付いた。

「どうしても払いたくねぇって言うなら、裁判で白黒付けてもいけどな。でも、そうなったら困るのはそっちだろ?」

 トムが工場を指差すと、錆が浮いた入り口に赤崎の妻であろう女性が心配そうな顔でこちらを窺っていた。ウェーブがかった肩までの黒髪の大人しそうな女性だ。遠目から見ても美人だと分かる。正直、目の前の男とは釣り合っているようには見えなかった。

「まったく‥アンタにはもったいないほどの美人な奥さんがいるってのに、風俗なんかでこんなに使っちゃって‥。しかも、工場だってこの様子じゃ上手くいってないんだろ?まったく、家族に申し訳ねぇと思わないのか」
「うるさい、うるさい!皆‥俺を虚仮にしやがって!」

 逆上した男は、奇声を上げながらトムに殴り掛る。避けようともしないトムの顔面を、赤崎は確かに打ち抜いたと思った。しかし殴られたはずのトムは微動だにせず、平然と立っている。

―――何故、立っていられるんだ?

 不思議に思った赤崎が、相手の顔面にめり込んだはずの拳を引いてみると、何処からか赤い液体が腕から零れ落ちた。最初首を傾げていたが、地面に赤い染みを広げている液体が己の拳から流れているものだと自覚した瞬間、叫喚した。

「うああああああああああああ」
「トムさん、怪我無いっすか?」
「ああ、お蔭さんでな。お前こそ手大丈夫か?」
「はぁ、別に何ともないですね」
「相変わらず、頑丈だよなぁ」

 静雄はトムが殴られる瞬間、顔と拳の間に己の拳を割り込ませた。静雄はトムが殴られるのを防いだだけだったが、殴りかかった赤崎の拳は粉砕され、関節部分は皮膚が捲り上がってしまっている。
その為、赤崎は真っ赤に染まった拳を抱き抱えながら、床を転げ回っていた。

「ばっ‥化け物ぉ‥」
「うるせぇな、最初にトムさんに殴り掛かって来たのはテメェだろうが」

 静雄は足元に転がっている赤崎に向って、一方的に言葉を投げつけ始める。怒りを抑えつける様に発せられるその言葉に、トムは静雄が間違いなくキレると予想した。

「お前、顔面狙ってきたよな。打ち所が悪けりゃ死んじまうって分かってやったのか?゛あぁ?」

 トムが静雄の怒りを宥めようとした瞬間、赤崎が赤く染まった拳を握りしめ、立ち上がった。そして、傍にあった鉄パイプを手に取り、静雄の堪忍袋の緒と己にとっての止めの言葉を呟いた。

「殺してやる」
「‥なんだと?」
「殺してやるぞ」
「おっおい、二人ともやめっ‥」
「お前ら皆殺しだぁ!」
「そうか、それじゃあ死にたくねぇ俺達は…」

 トムの制止の言葉を遮って叫ばれた殺害予告に、静雄は納得がいったように笑った。そして、掛けていたサングラスを外しベストに引っ掛ける。それを合図に赤崎は鉄パイプを振り回し、静雄に向かって走り出した。

「お前をぶっ殺さなきゃいけねぇってことだよなぁあ」