ひわひわのお話。
『あの…あんずさん』
「何ですか?」
『その…色々、ありがとうございました』
「どういたしまして。用件はそれだけですか?」
『あ、うん…その、ちょっと聞きたいんですけど。』
「何ですか?」
『どうして、助けてくれるんですか?』
「何がです?」
『あの時も、さっきも。助けてくれましたよね?』
「さぁ、どうしてでしょう?」
『俺が………女、だから?』
「いいえ?」
『じゃあ、どうして?』
「まぁ、りせはがいなくなったらお店の売上的には困りますけどね。」
『言うと思った。やっぱりそっか。』
「それだけでも、ないですけどね」
『え?』
「何でもないです」
『とりあえず、もう1回言っとく。ありがと!』
「この貸しの分、めいっぱい働いてもらいますからね?」
『おう!頑張る!!あんずさん、これからもよろしく!!』
「はいはい」
「私もこの店が好きだから、なんて。
そんな青臭いセリフを言うのは、若い子に任せましょうかね。」