ブギーマンはうたえない〈3〉
***
闇の中でうたごえはこだまする。
それはだれにも聴こえない。届かない。この街を生かすためだけのうた。
愛するもののために、彼はうたいつづけている。
「―――♪―♪―」
「―♪――♪――」
ささやくように、そっと、
なきさけぶように、つよく、
だいすきなきみが、さみしいおもいをしないように。
ねぇ。しってる?
このうたは、――――のためにつむぐうた。
だから、ねぇ。もう泣かないで……おれのたいせつな、いとしい――――。
〈ブギーマンはうたえない・3〉
ロッケンゼン→ただのモブです・・・
作品名:ブギーマンはうたえない〈3〉 作家名:七枝