ツイッターお題より
4.ヘスアド
アドルフに問題です。「羊」「グラス」「ワイン」の3つの言葉を含め、4ツイート以内で小説を書きなさい。 http://shindanmaker.com/5279 何かかけるかな^^ ということで。二十歳設定アドルフ。前回の続きっぽいです。
「眠れないときは羊を数えるんだぞ」
なんてことを言ったのはヘスラーだったか。
なんとなく寝付けずにいた夜のこと。
少し酔いでも回れば眠れるかもしれないと考えて、取り出したワインのボトルに踊る楽しげな音符を眺めていたら、真っ先に脳裏に浮かんだヘスラーの顔。
以前に、音符のちりばめられた 青いボトルがアドルフを連想させたからと言って、わざわざここまでそれを届けに来たのはまだ記憶に新しい。
その時のボトル自体はもう、その日のうちに二人で空けてしまって既にないのだが、彼が自分を思って、というのが嬉しくてついつい同じボトルを探しだして家に常備するようになってしまった。
控えめに注ぐと、とぷんと揺れる透明の液体がグラスを泳ぐ。
光に掲げると、弧面がその光を吸い取ってきらきらと輝かせた。
飲み口は甘やかで、含めばすぐに口に馴染んでしまうものだから、二人で飲んだときはすぐにボトルが空になってしまった。
そういえばあの日は、二人で酔い潰れて寝落ちてしまったのだった。
昼までぐっすり眠ってしまって、二人で苦笑いをしながら起きだしたのを思い出す。
あの日、グラスの向こうで微笑んでいたヘスラーの顔、それを思い出すだけで、
「……よく、眠れそうだ」