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刺青の聲〜タイトル未定〜

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「あれこんな時間に誰だろう?」
真冬は首を傾げるが盛大に炒め物を作っている螢の耳には届かなかったようだ。

「天倉さん? お客さん……」
「あーまーくーらー!」
家主にかけた声を優雨の低音が掻き消した。
「はーい」
返事がかえって、きた。家の外から。

彼女は恐る恐る確かめた。
「今の返事、天倉さんじゃなかったですよね?」
優雨は快活に笑った。
「そうだね」
「麻生さん螢にはまだ聞こえてないみたいですよ」
「あーまーくーらー! 代わりに出るぞー!」
「はーい。出なくていいですよー」
「あの……また、声が……」
首を傾げる真冬に笑顔で応えながら優雨は玄関に立った。
彼女も首を傾げた時、扉が開いた。

螢は強火と格闘している。

「こんばんはー天倉です」
「こんばんは」
来客を優雨は気さくに迎えた。
「今日も二人一緒なんだね。ご飯食べに来たの?」
「はい! って言いたいところなんですけど今日は別の用事で。できればご飯も食べたいかな」
どうやら螢と同じ姓らしい来訪者は双子のようだ。
少女とそっくりの顔をした女の子も後ろに隠れて頷いた。
「結果としては食べに来たってことだね」
優雨の言葉に双子は笑った。

狭いワンルームに総勢6人がひしめくこととなる。
双子と初対面の二人は優雨に紹介を受けた。
「驚いたな…螢にこんな姪御さんがいたなんて」
「澪ちゃんが妹で、大人しそうな繭ちゃんの方が姉ってのがちょっと意外性があっていいよね」
にっこり笑う優雨は既に顔見知りらしい。
「二人は似てるけど、雰囲気が違いますね」
彼女は微笑んだ。
「雛咲さんの所も似てるけど、雰囲気違うよね」
またまたにっこり笑う優雨。
食卓は5人の人間で満たされた。足りないのはただ一つ。

料理が螢に運ばれてやって来た。