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ドッペルゲンガーのともだち【鉢雷現パロ】

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ドッペルゲンガーのともだち




 ドッペルゲンガーは本当にいるらしい。

 諸説あれど、そういった類いのことは都市伝説やら言い伝えやらで確かに存在する。

 しかし、知識として知ってはいても、日々の暮らしの中でそういったことを思い出す者はそういない。
 伝説の中には、ドッペルゲンガーと会ったら死ぬというものもある。それくらい、低確率でありえないことなのだ。
 不破雷蔵も、多くの者と同じように都市伝説とは無縁だったから、念願の高校に入学三日目まで、そんなこと思い出しもしなかった。

 雷蔵が入学した高校は、単位制のカリキュラムを採用している私立校だった。
 入学後すぐ、必須授業と選択授業を組み合わせて自分で時間割を作らなければいけない。
 そのため、入学式の次の日から三日間は、準備期間としてさまざまな授業を体験できるようにしてある。
 全校を通して、通常の授業は一切なし。
 だが一年時は必須ばかりで選択できるものも少ない。入学三日目からすでに暇を持て余し、教室でたむろする生徒が増え始める。毎年のことだ。
 雷蔵も、その中の一人だった。

 異変の始まりは、周囲の視線だった。
 例えば誰かが教室の前を通りかかったとき、ふと雷蔵の顔を見ると、足を止め、首を傾げ、目をそらして足早に去ってしまう。
 自意識過剰かな、という打ち消しは、それが何度も重なることで効かなくなってきてしまう。
 気が弱く、迷いがちな雷蔵は自問自答する。
 自分は、なにか有名になるようなことをしたのだろうか。
 変な写真が貼り出されているとか。
 どこかで転んでパンツ丸出しになったとか。あっただろうか。
 いじめ? いじめなのか? 三日目から勘弁してください。
 ただでさえ、生来の明るい髪色でまわりに目をつけられやすいというのに。顔も、なんか細長くて馬面だし、鼻も長いのに丸いし。他人が見て決して愉快な気持になるような造形ではない。気に食わないであろう要素が満載の雷蔵としては、なるべく全てを穏便にすませたい。
 一体、何なんだろう……
 時間割とにらめっこしているフリをしながら悶々と過ごしていると、前方からつかつかと足音がし、一つ前の席がガタリと引かれた。
 雷蔵が顔を上げるとちょうど、前の席に睫毛が長く大きな目をした男子が、雷蔵を振り向きながら腰掛けようとしているところだった。