二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

チョコよりも甘い

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

どうせ隠したところでばればれだろう。俺は若干やけくそ気味に返事する。
タカ丸はまさか本当に自分の言葉通りだとは思わなかったのか、一種驚いたような顔をして見せた。だが、次の瞬間には穏やかな微笑みを浮かべ、口を開いた。
「…それならそうとはっきり言ってくれればよかったのに。」
タカ丸は相変わらずにこにこしながらそう言ってきた。タカ丸がそう言ったものの、そんな訳にはいかなかった。だって…
「俺たちは男同士だし、バレンタインなんて関係ないだろ?それに…それにお前に、この時期のチョコ売り場に行かせるなんていう、恥ずかしそうなことをさせるわけにいけなかったし…。」
自らが発した言葉に、また体温が上昇する。最後のあたりは言っている自分が照れくさくて、だんだん小声になってしまった。
だがどうやらタカ丸の耳にはしっかりと最後まで聞こえていたようだ。その証拠に、目の前にいる彼の顔は、みるみる赤く染まっていく。
タカ丸は顔を隠すように俯き、少し困ったように頭をかきむしっていた。おかげで彼ご自慢の金髪ヘアーがぐしゃぐしゃだ。
「…久々知くん、過保護すぎ…。恥ずかしくないと言えばウソにはなるけど、久々知くんのためなら僕、バレンタインチョコ買いに行くのくらい平気だよ…。」
やっと顔をあげてくれたタカ丸の言葉は、俺を動揺させるのに十分だった。タカ丸の顔は、恥ずかしさを隠しきれないといった様子で、耳たぶまで赤く染まっている。だが、俺の顔はそんなタカ丸と同じくらい――いや、もしかしたらそれ以上に赤くなっているかもしれない。
「…そんなこと言ったら、俺、うぬぼれちゃうからな…。」
照れる気持ちを隠しつつ、そうぼやく。瞬間、はっとしたようなタカ丸と視線がかちあう。
「勝手にうぬぼれてれば!?…来年のバレンタインは覚悟しといてよ…。」
タカ丸は頬を膨らませつつ、拗ねたようにそう言う。だが、そんな赤い顔でそんな可愛いセリフを言ったところで、俺をますます幸せにするだけだ。
「甘さ控えめのでよろしくな。」
相変わらず拗ねた表情の恋人の髪をすいてあげながら、俺はそっと囁いた。



                            おわり
作品名:チョコよりも甘い 作家名:knt