君の全てに恋してる(幸運男/ナイス×修正)
「反応が可愛くてつい」
へらりと微笑むと、むっとした顔をしてにらまれた
そんな顔も可愛くって仕方がなくて、頭に更に熱が上った気がした。
「でも今日は熱があるから何するかわからないっすよ」
「な、お前」
笑みを消して彼の腕をつかむとさすがに慌てた様に腕を引こうとしたのだが逆に強くこちらに引き寄せ線の細い華奢な体を腕の中に閉じ込めた。
少し硬い骨ばったような感触に寒くもないのにゾクリとした感覚が背筋を走った
「やめろよ何するんだよ…熱い!」
じたばたと腕の中でもがく修正を夢を見ているような感覚で眺める
薬が効いてきたのか熱が上がってきたのかはわからないがあまり現実味がない
「大丈夫修正が看病してくれたからさっきより大分いいっすから」
「私は大丈夫じゃない!」
「修正」
声に真剣さを含ませると
腕の中の体がビクリと震え、動きが止まる。
「嫌だったら逃げて」
「……」
耳元で囁くと息を飲む音がした
―が動く気配はない
「…逃げないんすか?」
「違うっ…今、私がいなくなったらお前を見てやれるやつがいなくなるだろっ」
「うん」
「だから、別にお前のことをとか」
「うん」
「…そう、言うんじゃなくて…」
目の端に入った耳が赤い、体はじっと動かさないが手が震えている。
「いいっすよそれでも」
嬉しくて嬉しくて仕方がなくて、額に口付ける
「…馬鹿」
「修正が許してくれるなら馬鹿でもいいっす」
「馬鹿野郎、…なんだよ馬鹿許さねえよ」
詰まったような涙声で文句が紡がれる
「そういうところも好きっすよ」
意地っ張りで、素直じゃなくて
「……嫌いだ」
それでも、本当は優しくて思いやりがあって
…そんな所に惹かれて大好きになった。
「うん、ありがとう」
「嫌いなんだからな!!」
「わかってるっすよ …しばらくこうしててもいいっすか?」
「っ……!」
取りあえず彼が耳まで赤いのは、了承の合図だと受け取っておくことにしよう。
抱きしめた腕にさらに力を込めると蚊の鳴くような声で再度「馬鹿」と呟かれた
つくづくそんなところが可愛くて仕方がない
作品名:君の全てに恋してる(幸運男/ナイス×修正) 作家名:ノゾム@ナイ修布教中!!