君の全てに恋してる(幸運男/ナイス×修正)
心配してくれているのは分かるのだが
照れ隠しにブツブツとお小言を言うのは病人相手にはいただけない…とは思うものの
それすらも彼らしくて、なんだか顔がニヤけてしまう
(そんな所が可愛いんすよね)
クスクスと笑っていると「真面目に聞けよ」と睨まれてしまった。
「大体な、私の専門は怪我とか外部の損傷とか物理的なものであって内科は専門外なんだよ」
そう言いながらもテキパキと薬と水枕を用意して自分に渡し「何か食べれるか?」と聞いてくる彼には看護の素質があるように思える
―きっと責任感とかそういうものが強く、弱っている人間を放っておくことはできないのだろう。
「心配してきてくれたんすか?」
「あんな死にそうな声で連絡されたら誰だって気になるだろ」
「嬉しいっす」
「……」
ニコニコしながら言い放つと修正がピタリと固まる
そして目を合わせるとすぐに目を逸らされた
好意の気持ちに気が付き、アプローチを始めてからというもの彼は今のようにストレートに好意を示す言葉に強く警戒心を抱くようになった。
黙るのみで拒否されないところを見るとどうやら照れているようなのだが、それも実際のところはよくわからない
彼は嫌いな相手にわざわざ好意的な一面をたとえ同情であってもしないから嫌われてはいないはずだ…とは思う
考えながらじっと見つめているとさすがに気が付いたのか呆れたような顔で振り向かれた
「なに?」
「来てよかったんすか?」
今更な質問を口にすると訝しげに眉を寄せられた
「なんだよ今更そっちが携帯に…」
「二人きりなんすよ、今」
この部屋はナイスの一人暮らしで、来客も修正しかいない
当たり前のことだが2人きりだ。
怪訝そうな顔をしていた修正も『二人きり』というあからさまに下心を仄めかす表現にパッと赤くはなったが
なにも気にしていないとでもいうかのように水の入ったコップを差し出してきた(それでも視線はとまどうように漂わせている)
「別にお前いつも何にもしてこないじゃん」
何でもない事のように言い放たれたが、その通りだいつも学校やお互いの家で二人になったところで何かやましいことをなんてしたことはない
悔しいが出来なかったのだ、嫌われるようなことはできるだけしたくなかった
「そうっすね宇宙一のナイスガイッすから」
「自分で言うなよ…からかってんのか」
作品名:君の全てに恋してる(幸運男/ナイス×修正) 作家名:ノゾム@ナイ修布教中!!