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クリスマス米英1

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この学園にはクリスマスパーティという代物がある。
生徒会主催のパーティはどちらかというと生徒会役員には”今年最後の仕事”であり、試験も終わって遊べる時期に仕事をさせる生徒会役員の敵でもある。
しかしそれでも試験が終わったという解放感と、基本的にお遊びであるから、他の行事に比べれば楽しむ生徒会役員は多い。
その中でも一際喜んでいるのは、今年生徒会に入ったばかりのセーシェルだった。
「イギリスさんー!先生から許可のサイン貰ってきました!」
「……お前、遊びとなると元気だな」
ノックもそこそこに元気よく入ってきたセーシェルに、思わずため息をついてそう呟く。
いつもならば茶々を入れるフランスも黙ってる辺り、きっと心境は一緒なのだろう。
セーシェルは南の島から来ただけあって寒さにはめっぽう弱かった。
夏の元気良さとは真逆の、秋口あたりから寒い寒いと連呼し、アメリカにマフラーと手袋の存在を聞いては買いに走り、日本からカイロの存在を教えてもらうと冬場は二度と離しません!というくらいには寒さに弱かった。
かくいう俺は基本的に寒い方に位置する国なので、夏場の暑さには弱くても冬場の寒さには強かった。
なので俺から見ると大したことない寒さで元気どころかテンションまで下っていたセーシェルを知っているので、それが”クリスマスパーティ”というものを知った途端元気になったのだから、呆れるなという方が無理だった。
「だってパーティですよ!ハンガリーさんとこに今日、パーティで着るドレスを選びにいくんです」
「ハンガリーのとこに?」
「はい。私、ドレス買う余裕なかったんですけど、ハンガリーさんが好きなのを貸してくれるって。すっごい楽しみなんです」
「なんだセーシェル。おにーさんに言ってくれたら買ってやったのに」
それまで珍しく書類処理に専念していたフランスが横から茶化す。
やっぱこいつが最後まで黙ってることなんてないな。
「…フランスさんに言ったらなんか別の代償払わなきゃいけないような気がして嫌です」
「セーシェル、お前は正しい」
「え、ちょ、セーシェルも坊ちゃんもおにーさんのことなんだと思ってんの?!」
酷いと喚くフランスを二人で無視して、俺はセーシェルから書類を受け取る。
「髭には頼んなよ。あれに頼るくらいなら俺がドレス買ってやる」
作品名:クリスマス米英1 作家名:叶 結月