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短いのまとめ

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ビューティーハニーパロで波帝波/
…この度働く機会を得た、都心にあるこの人気店は技術力の高さを持ちつつも個々に看板レベルのスタイリストを揃えている。今日から此処でほんとに働くのかという感想が大幅を占める。
店内であの奥に居る方はどなた?という声に当店のオーナーでしてとの返答が耳に入る。視線を向ければ立ち振る舞いが華やかな女性が存在している。さすが気品のある美人、感嘆が店内に流れるも当人は携帯の通話中でその艶やかな唇から紡がれる×××を元手に×××れば入れ食いだわよだのアラそうアソコが×××ってるのね×××を×ってもらわないと、といったカネやシモの話に余念がない。たちまち喋るとえげつない発信源へ黙ってさえいてくれたら…という思念が集中するのを目撃。
ふと小さな金属音がした。気付いて拾い上げたのはオーナーの形のよい耳から落ちたダイヤのピアス。あの、落とされましたと声を掛ければ一瞬の逡巡ののち女の子?と頤を細い指先でとられながらの尋ね。
そんな初対面も体験して早速外周りに駆り出された。見送りの言葉は竜ヶ峰…死んでこいであった。

死のロードと呼ばれた、中学の時の遭難者続出の夏山登山を思い起こさせる一日の終盤。思ったままに口にする言葉。いつもこんな感じなんですか。そうよ、毎日365日。じゃあ、折角ご自分のお店を持っておられるのにそこには立たれないのですか、一日も。間。竜ヶ峰くん。はい?そして急所に衝撃の一撃。×××の×も×けてないくせに知ったような口利くんじゃないのよ。至近距離でのショックも加えられた忠告はやはり美人なので殊更迫力がでていた。そんなスキンシップが思い出に刻まれてしまった、夜。


…ダイヤモンドの硬質さは時にまわりを傷つける石。好きにしたらいい。別れたんだもの、束縛はしない。微睡む中で蘇るのは別れの日。独り身の女性では店を持つのが困難だからと都合のいい見目もいい男と結婚して、離婚届を出して完全なさよならをして。
微かな靴音にうたた寝から意識が帰る。新人の竜ヶ峰とかいうこがピアス片手に所在なく、ピアスまた落ちていましたとの報告。疲れを自嘲。お話したい事があって。またにしてくれる?と粗末に返す。限界、と続けた言葉の最中にパーソナルスペースへの侵入。カチ。ピアスを丁重に付け直される。意図の掴めない微笑みと扉を閉める音を残して去られた、夜。
翌日、戻れなくなるかもしれない事情が発生した帰郷を間接的に聞かされた。何も聞かれてないですか、と。辞めるなら辞めたらいいわ。別れは同じ様な場面だなんて捻りがない。今日も忙しくなる。しかして忙殺された日中にて人ごみに見慣れてしまった背格好。息が、詰まった。
どうして何故叫ばなかったのか声を枯らして、追いかけてひどく縋って肩を揺すり一心にひきずり倒してでも懇願してでも、離れないでそばにいて欲しいとわたしの隣にいて欲しいと。

振り返る顔に、何でこんなところ歩いているのよという勝手な抗議。迎え撃つ満面の笑み。語られる、実はしょうもなかった事情。今から外の仕事でしょう、行きましょうか。年下による年の差のエネルギーに微笑。
今日から店に立つのよ、また一からスタートしようかと思って。そうなんですね、に重なるピアスがアスファルトと共謀して奏でる音へと舌打ちをする。嫌われてますねー、つけましょうとの慰め。

さ、波江さん。じっとして。間。あなたってどういう子なの?あれ、やだな波江さん照れてますか?意外ですねー。間。
作品名:短いのまとめ 作家名:じゃく