短いのまとめ
戦争サンド/
竜ヶ峰帝人は物質面からの影響を一切スルーする。知る人ぞ知られた池袋の特殊なカテゴリーに入る者であって、まるで天災のような戦争の被害を受けない存在でもある。
「酸素や食物の恵みや、ひとからの愛は変わらず必要なので、別に生物としての軛から外れきってはいませんからね」
大したことじゃありませんと平然に述べるこは、今日も華やかさを極める戦争の圏内にするりと立ち寄っては、気楽な会話を投げてくる。
「それはまあ腑に落ちないけども、置いておくとして。俺、今丁度帝人くんの中だね」
「そこはかとなく言い方が気に入りません…」
「ノミ蟲、今すぐ失せろ。それか消えろ」
絵的に硬質な物体を投げ辛いのか静ちゃんは攻撃することを躊躇っているようだ。だが、予想よりも早くに限界を迎えて低い声が地を這って、本能が警告を発する。ストレスを何時もより貯めた所為でもっと危ないかもしれず、口の端っこを歪める。帝人くんはそんな様子に全く動じていない。いくら物質をすり抜けるとしても威圧は感じるだろうに。
しかしてその肝に感心する程、状況は優しくはなくて。
激化した戦争を眺めているこの視線は、羨みを孕んでいたことついて、長く気付けなかった。
竜ヶ峰帝人は物質面からの影響を一切スルーする。知る人ぞ知られた池袋の特殊なカテゴリーに入る者であって、まるで天災のような戦争の被害を受けない存在でもある。
「酸素や食物の恵みや、ひとからの愛は変わらず必要なので、別に生物としての軛から外れきってはいませんからね」
大したことじゃありませんと平然に述べるこは、今日も華やかさを極める戦争の圏内にするりと立ち寄っては、気楽な会話を投げてくる。
「それはまあ腑に落ちないけども、置いておくとして。俺、今丁度帝人くんの中だね」
「そこはかとなく言い方が気に入りません…」
「ノミ蟲、今すぐ失せろ。それか消えろ」
絵的に硬質な物体を投げ辛いのか静ちゃんは攻撃することを躊躇っているようだ。だが、予想よりも早くに限界を迎えて低い声が地を這って、本能が警告を発する。ストレスを何時もより貯めた所為でもっと危ないかもしれず、口の端っこを歪める。帝人くんはそんな様子に全く動じていない。いくら物質をすり抜けるとしても威圧は感じるだろうに。
しかしてその肝に感心する程、状況は優しくはなくて。
激化した戦争を眺めているこの視線は、羨みを孕んでいたことついて、長く気付けなかった。