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青帝。兄弟パラ/
同じ部屋で時を過ごす間、何時からか背中合わせになっていて、些細な接触ですら避けられていた。そうして予感していた通りに部屋を別にしてもらい時間にズレが生じた。たったそれだけで、埋めがたい距離が出来た心地がする。
僕を呼ぶ声音には単に、長く傍らに居る関係による親愛の情だと言いきれないものを滲ませていると思う。幾つかの構成要素はそっくりであるのだが、向こうから送られる視線には含みがある。
逆さまに考えたのなら、同じ環境下でも見付かる差異を特別意識しているのかもしれない。変哲のないものであるのだが。何にしても、正解も外れもないけれど、回答を用意しておかなければならないだろう。
呼吸よりも、意識を預ける相手を想うことは簡単なことで、それは当たり前であって今更。
「帝人兄さんは、ずるくて酷い」
「青葉は、意気地なし弱虫」
分かりきったことを今頃。
ずるく酷く、意気地なく弱虫。そんなものを共有する僕らだからこそ、それが惰性を受け入れていることも理解している。