風邪@ルキーノ訪問編
「ああいや、そういう訳じゃないんだが」
心を読むように、ルキーノはふんと楽しげに笑った。
「では、今回は美女達には休んでいてもらおうか。節約家の筆頭幹部殿の為に」
「ルキーノ」
「その代わり、二人きり。でな」
ルキーノの誘いに、ベルナルドは煙草を噛んでから笑った。
「お前は美女の代わりになるのかな」
「もちろんさ、夢のようなひと時を約束するぜ」
「ふん、期待していよう」
煙草一本を吸う時間だけ滞在し、忙しい男はそのまま仕事へと戻っていった。
作品名:風邪@ルキーノ訪問編 作家名:七月かなめ