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動物の王国~エド、初めての諜報活動~

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『これ以上イタズラが過ぎると、エドワードの写真を一枚たりとてやらないよ。それからお忍びでこの国に来るのも禁止。破ったら絶交だから、そのつもりで』

「あ、あんまりだ……」

手紙を持ったまま、がっくりと床に手をつく。ブラッドレイが受けた衝撃は計り知れない。

そう、愛する息子の為に、ホーエンハイムは人肌脱いだのだ。
それに王として、国政の安泰も見逃がせない。
でも、案外親友でもあるブラッドレイを助ける意味あいもあったりする。

「あの男を本気で怒らせると、怖いからね。特にエドワード絡みでは…」

はははと、宮中にオーエンハイム王の笑い声が響いたのだった。



帰国後すぐに、王宮の鏡の間において王侯貴族が見守る中、エドワードとロイの婚礼の儀が盛大に催された。
エドワードがロイにエスコートをされバルコニーへと出たとたん、人々の歓喜の声と笑顔が出迎えてくれる。そして二人を祝福する為に、国中の至る所で祝いの鐘が鳴り花火が大空を埋め尽くした。
ロイが握ったままのその手に、口づけを落とす。
「エドワード、君は国中の人々から愛されているんだよ」
「うん、でもそれはロイも同じだよ。俺たち二人で愛されているんだ!」
高揚で頬を赤く染めながら、エドワードは幸せそうに笑う。
その笑みに、ロイのエドワードへの愛おしい想いが溢れだして止まらない。
「……愛しているよ」
「お、俺…も…っ」
耳まで真っ赤になりながら俯く様が可愛い。
ロイは思わず目を細めると、ふわりと柔らかく微笑んだ。


アメストリ王国は、今―――これ以上ない幸福に満ちていた。

この先にあるアメストリス王国の未来は、若い二人と共に輝きあっている。


おしまい

★おまけの親子★
幸福一色の中、それとは無縁の人達もいたようで。
「…再婚、バラ色の再婚生活が……」
「初恋は実らないって、本当なんですね……」
式典に特別来賓として招かれたブラッドレイ親子の姿があったが、国中が祝福を送る中、二人が手に手を取り合って号泣していたとかしないとか。