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ディナーをいかが?(ほぼ会話文)

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暖炉には赤々とした炎が揺らめいている。
ベーカー街221Bの居間で寛ぐホームズ。
そこにレストレード警部が現れる。

「これはこれはレストレード警部。ようこそ。」
「こんばんは、ホームズさん。」

きょろきょろと室内を見渡すレストレード。
普段より小奇麗な服に身を包んだレストレードに不審げなホームズ。

「事件ではないようですが?」
「おや、ワトスン先生からお聞きじゃありませんか?」

首を傾げるレストレード。
聞いていないという風に眉を顰め、パイプを手に取るホームズ。
とりあえずレストレードに椅子を勧める。

「やあ、レストレード警部。もう来てくれたのか。」

そこへタイミングよくドアが開き、にこやかにワトスン先生登場。
こちらはよく見るツイードのスーツを着ている。

「ワトスン先生、こんばんは。」

レストレードと軽く握手しながら談笑。
その様子をパイプを吹かしながら見ていたホームズが口を開く。

「出掛けるのかね?」
「昨日言っただろう。今日レストレード警部と食事に行く約束をしたって。」
「食事?君とレストレード君が?」
「あれ?言っていなかった?」

聞いていないと首を横に振るホームズ。
目を見開いて驚き、ひたすらすまなそうに謝るワトスン先生。
気にするな、と手を振るホームズ。
話を促す様にワトスン先生の目をじっと見つめる。

「ああ、ほら。君にも話したと思うけど新しいレストランができたんだよ。それで、この前の事件で会った時に話をしたら、たまたまレストレード警部も気になっていたらしくてね。それで一緒にどうかって誘ってくれたんだよ。」
「いささか気後れしそうな店でして。渡りに船とはまさにこのことですよ。」

帽子を弄びながら嬉しそうに喋るレストレード。
一瞬ピクリと右側の眉を動かすも、すぐに馬鹿にしたように鼻を鳴らすホームズ。

「君には何十人という同僚がいるじゃないか。」
「まさか、ホームズさん。まったく気のいい奴等ですがね、礼儀の何たるかもわかっちゃいないんですよ。」

真面目腐った顔で、真剣にホームズへと訴えるレストレード。
それに笑いをこらえつつも「そんなことはないよ」と嗜めるワトスン先生。

「その点、ワトスン先生は英国一の紳士ですからね。同行者にこれ以上の人は望めません。」
「おいおい、そんなに褒めて今日の食事代を浮かせるつもりかい?」
「滅相もない!!私がお誘いしたのですから私が持ちます。」
「いやいやいや。そんなつもりで言ったわけじゃないんだよ。」
「いえいえ、どうかお気になさらずに。」
「でも、」
「二人とも埒のあかない押し問答は止めたまえ!」

それまで黙ってやり取りを聞いていたホームズ。
いきなり立ち上がると両手を大きく振って2人の話を遮る。
びっくりして固まる2人の様子を愉快そうに眺める。

「ワトスン、折角の申し出だ。ここは素直に警部の好意を受け入れてはどうだろうね?」
「しかしホームズ!」

言い募ろうとするワトスン先生の口元に、左手の人差し指を突きつけて黙らせるホームズ。
納得いかないと眉を下げるワトスン先生。

「ワトスン、君だって知っているだろう?ロンドン警察のレストレード警部といえば、僕に劣らず頑固者だってことを。」
「そのとおりです、ワトスン先生。」

強力な味方を得て得意そうなレストレード。
レストレード、ホームズを交互に見て、軽く諦めのため息をつくワトスン先生。

「わかったよ。では今夜はご馳走になるとしよう。」
「そうこなくっちゃ!では意見もまとまったことですし、参りましょうか。」

納得いかないながらも、仕方なくうなずくワトスン先生。
さっとワトスン先生に右腕を差し出すレストレード警部。
それに気づき、笑顔で腕を絡ませるワトスン先生。

「じゃぁホームズ、行ってくるよ。」
「それではホームズさん。失礼します。」
「ああ、楽しんできてくれたまえ。僕抜きのディナーをね。」

明らかに棘を含んだ言い方に、顔を見合わせる二人。
振り向くと、いつのまにか実験器具の前に座り込んで何やらいじっているホームズ。

「あー、ホームズさんもいかがです?」
「そうだよ、君も是非一緒に行こうよ!」

しかたない人だ、といった感じのレストレード。
名案だとばかりに笑顔になるワトスン先生。

「いや。そうしたいところだが、今ちょっとした研究をしていてね、手が離せないんだ。」

顔もあげず、すげなく手を振って断るホームズ。
ほら、やっぱり。ってな感じで肩を竦めるレストレード。

「それは残念ですな。しかし無理強いをするわけにも行きませんから、先生。」
「うん。どうしてもかい、ホームズ?」

心底残念そうにホームズを見つめるワトスン先生。
さりげなくうながすレストレード。

「すまないがね。」
「そうか、それじゃ仕方ない。」

ホームズが一向に顔を上げないことで、やっと諦めがつくワトスン先生。

「ささ、ワトスン先生。早くしないと予約の時間が。」
「ああ、わかったよ。それじゃぁホームズ、11時には戻るよ。」
「ああ、気をつけて。」

ひたすらに実験器具を覗き込むホームズ。
扉が閉まり、腕を組んで階段を下りていく二人の会話に耳を澄ます。

(いやぁ楽しみですな、ワトスン先生。)
(中々の料理だと評判だしね。)

やがて玄関の閉まる音が聞こえ、静まり返る部屋。
ふと顔をあげ、いつもの暖炉横のお気に入りの椅子に腰掛ける。

「ディナー、ね。」

新しくパイプを取り出し、昨日の吸殻をつめて火をつける。
2度3度とふかす。

「僕が誘おうと思っていたんだがね。」

ふぅーと煙を吐き出し、そのまま天井を見つめる。

「まさか警部に出し抜かれるとは思わなかった。」

くくっと低い声で笑うホームズ。
暖炉の灯りが煌々とホームズを照らしている。