ディナーをいかが?(ほぼ会話文)
- 蛇 足 -
「・・・・ううっ」
突然ぶるっと身震いするレストレード警部。
「?どうしたんだい?」
「いえ、急に寒気が。」
「それはいけない。風邪をひいたのかも知れないよ。」
レストレードの額に手をあてて熱を計るワトスン先生。
されるがままにじっとしているレストレード。
「ご心配なく、私は風邪をひかないタチでしてね。ここ何十年、どんなに寒い日に張り込みをしても風邪をひいたことがないというのが数多くある自慢の一つなんです。」
「風邪を甘く見ちゃいかん。今日は早めに帰ってすぐに眠ったほうが良い。」
「ディ、ディナーも諦めろっておっしゃるんじゃないでしょうねっ!?」
子供のように必死なレストレードに、思わず微笑むワトスン先生。
「くくっまさか。私もそこまで鬼じゃないよ。ただし、食事がすんだらすぐに帰ること。」
「そんな・・・一杯だけやって帰るっていうのは・・・」
「もちろんダメ。」
「あ、やっぱり。」
しゅん、とうなだれるレストレードの肩をポンポンと叩くワトスン先生。
「そのかわり、今日のディナーは私が奢るよ。とびきりのブランディー付きでね。」
自分が奢ることにもっていけて嬉しそうなワトスン先生。
「先生には負けます。」
二人して笑い合いながらレストランを目指す。
作品名:ディナーをいかが?(ほぼ会話文) 作家名:飛ぶ蛙