ワインを一杯、貴方と
空になったグラスを置き、ニバンボシを手に持って席を立つ。
代金を店主に手渡せば、レイヴンはちょいっと手を挙げた。
ふぅと息を吐いてその手に自分のを軽く打ちつけ、そのまま店を後にする。
店を出ればラピードが伏せていて、オレに気づくなり尻尾をひと振りして起き上がる。
その頭を軽く撫で、歩き出せば、中で何があったのか見透かしたような風体で欠伸をした。
「なんだよ、お前まで騎士団に行けって言うのか?」
ラピードは何も言わずにキセルを咥え直した。
作品名:ワインを一杯、貴方と 作家名:naco