meet again
最初に浮かべておいた葉と、増えた葉の一枚をとって見比べる。大きさ以外は寸分違わぬモノだ。葉脈の張り具合まで完璧にコピーされている。他のものも調べてみたが同様だった。……これに何か意味は、あるのか? そういや旅団にコピーする能力の奴がいたな。いや、あれは確か具現化系のはずだ。
「あとは、各自がどんな能力にするかを決めるだけだな。パーム、シュートへの能力開発方法の説明はお前に任せていいか?」
「いいけど、ウイングはどうするの?」
「体を鍛えがてら、水汲みにでも行ってくるさ」
空の桶を抱えて小屋を出る。桶は全部で5つ。前はひとつで精一杯だったけれど、一人で軽く全部の重さを持てるくらいにはならないと、この世界で生き残るのは難しいかもしれない。うまくいけば、ハンター試験を受けてこの世界で豪遊するのも悪くないだろう。戻る気ならば、それ以上に鍛えなければ意味がない。いずれにしても鈍った体力を取り戻すために、俺は体を鍛える覚悟を決めた。
……あーあ、俺、インドア派だったのに、何でこうなっちまったかな。
作品名:meet again 作家名:皆戸 海砂