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桔梗

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「きり丸、しんべヱ。話があるんだ」
「庄左エ門?」
 側には喜三太もいた。
「何かあったか?」
「…乱太郎のことで話したいんだ」
 喜三太の言葉に二人は動きを止める。
「乱太郎の?」
「うん。だから、一緒にきてほしい」
 きり丸としんべヱは二人の言葉に頷いてついていった。
 四人がついた場所は、学園を見渡せる景色のいい処。そこは乱太郎が好きな場所だった。よく、そこに一人できていた。
「…乱太郎の事って?」
「なんだよ。庄」
 庄左エ門は二人をまっすぐみてきりだした。
「きり丸としんべヱは乱太郎のもう一つの姿、知ってるよね?」
「…庄も知ってるのか?」
「喜三太も?」
「うん、ついこの間に助けてもらったの」
「華乱としてね」
 その言葉にきり丸もしんべヱも何も言わなかった。
「きり丸、しんべヱ。お願いだから何か言って? じゃないとこれからのことが話せないからさ」
 喜三太の言葉に二人は動いた。
「どういうことだ?」
「これからのことって、何?」
「…やっと話してくれた。僕も喜三太も乱太郎が華乱だってこと誰にもいうつもりはないよ」
「だから安心して?」
「ああ」
「そうだよね」
「あのさ、この前乱太郎が怪我をして帰ってきたとき、二人ともずっと乱太郎の側から離れなかったよね?」
「ああ…」
「それは、乱太郎がいなくなることが怖かったから?」
 庄左エ門と喜三太の言葉に二人は頷いた。
「だって、乱太郎。僕らにバレたとき。悲しく笑ったんだ。乱太郎は優しいからすぐに人のこと考えちゃう。だから…」
「あいつが絶対いなくなるって思ったんだ。だから、しんべヱと決めたんだ。乱太郎から絶対に目を離さないって」
 きり丸は我慢しながら、しんべヱは既に泣きそうだった。
「だって、あいつさ。こういったんだ。『怖がらせてごめん』って。正直本当の事を知ったとき怖かったよ。でも、な」
「そんなことよりも、僕らは乱太郎がいなくなることの方が怖かった! だから、乱太郎が怪我して部屋にいたとききり丸と必ず確認にいった。そこにいるの確認するために」
「…怖かったんだ。乱太郎がいなくなることが」
 きり丸も目に涙をためて言葉を紡いだ。
「しんべヱ。泣かないで?」
 喜三太がしんべヱを慰める。庄左エ門もきり丸の肩をポンっと叩く。
「ずっと二人で頑張ってたんだよな」
作品名:桔梗 作家名:とーすい