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桔梗

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私がここにいる理由。
それは、皆といたいから。皆と笑い合い、泣き合い、そんな感情を分け合いたいから。学園に入って子供が当たり前にすることをした。家ではできなかった。人に心配され、怒られ、頭を撫でられて、皆から抱きつかれた。自分の二人の親とは違った親愛の感情。
私は、両親が大好きで尊敬している。今の自分がここにいるのは、二人のおかげ。だから、きり丸達も庄左ヱ門達も危ないところを助けられた。
華乱という、もう1つの姿は嫌いではない。
それも私だから。
プロ忍として働く事も好きなのだ。イクとヤミと一緒に風をきって走る事、タソガレドキの二人との簡単だけどやる任務。利吉とやる難しい忍務。
全てが今の自分だから出来ること。
だからこそ、学園を去らなければいけない。
華乱とかかわり合いがあることに気が付かれれば、危ないのは友達。そして、学園。それは避けたかった。
大切だから。
大好きだから。
「私はここからいなくなる」
両親との約束。
『もし、周りに知られた場合は学園から去りなさい。それが学園に入学する際の約束だ』
 本当はそのまま華乱として生きるつもりだった。大切な者を増やすつもりも無かった。
 このまま生きていくと思った。
 それを止めたのは母。
『お前はもう少し周りや人を見ておくべきだね。人の感情をみておいで。そして、自分の感情も育てておいで』
そのときはよくわからなかった。学園に入ってからそれがよくわかる。華乱であれば知らなかった感情達。自分にはこんなにも感情というものをがったのかと思った。
「大好きなのにね」
「くう?」
イクが乱太郎を舐める。
「本当に感情ってものは、いい意味でやっかいだね」
「寂しいね」
「ほう!」
 ヤミが乱太郎の肩に止まり、頬擦りをする。
「くすぐったい」
 乱太郎はヤミとイクの温かさに涙が溢れた。
「ここにいたいよ」
 それが、今の乱太郎の本当の心。

作品名:桔梗 作家名:とーすい