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【APH】ある冬の日の思い出。

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「イギリスのとこで飲んだ茶が美味かったんで褒めたらよ、嬉々として淹れ方教えてくれたんだよ。んで、茶の葉も分けてもらった。イギリス程、多分、美味くねぇぞ。期待するなよ。お前、いつもコーヒーばっかだからたまには、茶もいいだろ」
「…ああ。そうだな。良い香りがするな」
「何かすげー希少な茶の葉なんだと。味わって飲めよ。んで、お茶請けはこれな。お前、さくらんぼ好きだろ。さくらんぼのブランデー漬けを坊ちゃんとこで買ってきて、シュヴァルツベルダー・キルッシュ・トルテ作らせたんだぜ!」
「…お前、一人でオーストリアに行ったのか?」
聞き流せない言葉を訊いてしまった。カップの取っ手を持ち上げたフリードリヒはプロイセンを睨む。
「……あー、えーと」
口を滑らせたと言う顔をして、睨まれたプロイセンは視線を泳がせた。それにフリードリヒは眉間に皺を寄せ、溜息を吐いた。
「プロイセン」
「あー、怒るなよ。ちゃんと普通に買いに行ったんだぜ?」
「お前の普通は信用がならん」
「ひでえな。でも、こっそり買いに行ったら、そこで坊ちゃんに遭遇してよ」
「何だと!?何も問題をおこさなかったんだろうな?」
貴族然とした青年を思い出し、フリードリヒは眉を顰める。プロイセンとは水と油と言ってもいいほど馬の合わない相手である。そして、先の敵国でもある。そんな相手の国にのこのこと出かけて行くとは…。フリードリヒは頭が痛くなってきた。
「起してたら、ここにはいねぇだろうが。さくらんぼのブランデー漬けもチョコレートもオーストリアが勧めてくれた店で買ってきたんだぜ。まあ、かなり値が張ったけどな。拘ってるだけあってアイツんとこは菓子は美味いよな」
「何を暢気な…。ったく、どうしてそんなことを。態々、オーストリアまで出向かずとも国内で購入できるだろう」
「ウチのも美味いけどよ。折角だからさ、すげー美味いもん食わせたかったんだよ」
タルトを皿に切り分けると、プロイセンはその皿を恭しく、フリードリヒの前へと置いた。





「誕生日、おめでとう。親父!!」







オワリ