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いつかに失った季節の話

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ある秋のこと

 ひらひらと紅に染まった葉が地に落ちていく。
 紅葉というのはうらやましい。
 緑の葉が色づいて綺麗になって、さようならと落ちていってしまう。
 普段は花のように人に愛でられることもなく、当たり前のように存在している。だけど死ぬその間際だけは、鮮やかに色づいて、死ぬことを人に伝えながらも、あっさりと落ちていく。人間のように最後まで足掻く訳でもなく、その死の軽さがいいなあと、綱吉は思った。
 死ぬときはこんな風に、美しくあっさりと消えてしまいたい。
「ねえ、知ってる?」
 ぼんやりとそんなことを思っていると、突然隣から声をかけられて、綱吉は慌てて横に立つ人を見上げた。
「な、なんでしょう」
「こうやって落ちた葉は、樹の養分になるんだよ」
「へえ?」
 突然の言葉。雲雀らしくない内容に首を傾げると、皮膚の硬い手がにゅっと延びてきて、綱吉の鼻をつまんだ。
「無駄な死なんてないってこと」
 だから君は、余計なことを考えるんじゃないよ。

 見透かされたような言葉がうれしくて、綱吉ははにかむように微笑みながら、鼻をつまんでいた手を掴んで、無理矢理ぎゅうぎゅうと握り込んだ。