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ネイビーブルー
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【聖☆おにいさん】駈込み訴え【パロディ】

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 はい、はい。落ち着いて、申し上げます。聞いてくださいますか、ありがとうございます。聞いてくださるんですね。門前払いになってもおかしくないと思いました。私なんで。家に入れてくださるのですか、ありがとうございます。それでは、上がらせていただきます。イースターの時ぶりですね、ははは、あの人はいらっしゃらないんですね。私の気配を感じてお逃げになったのでしょうか、良いんですよ、むしろあの人がいたらこんなお話できませんから。ええ、四時に帰ってくる、そうですか。それでは、それまでにお帰り致しましょうかね、へへ。ええと、何処まで話しましたっけ、そうですね、何も話していないですね、すみません。くだらない質問をしてすみません。あの人は、本当に酷い人なんですよ。本当に、もう、酷い、酷い人なんです! 許せない。お願いです、あの人を殺してください。言葉の刃でずたずたに切りさいなんで、殺してください。おや、そんなことをしたら心が死にそうだから駄目と。そうですね、そういえば、メンタルはあんまり強くありませんでしたね。では、やめましょう。あの方がずたずたになったら、私までずたずたになりそうです。あの人は、私の師です。主です。ペトロやアンドレ、トマスなんかは今でも先生と呼んでいますが、私はもう、先生と呼べるような身分ではありません。しかし、いつまでも、あのお方は私にとっての師であり主だと、私自身は思っていますよ、ええ。けれども、あの人は私と同じ歳です。三十四であります。そんなに驚きにならないでください。私はこう見えても、三十四であります。あの方と同じ歳です。私とあの人との差は、なんにも、ないのです。それなのに、私は今まであの人に、どれだけ子ども扱いされてきたことか。どんなに無能に見られていたことか。あの人はもとより弟子の馬鹿共まで、私のことを、子ども子どもと。もう、いやだ。堪えられるところまでは、堪えてきたのだ。怒るときに怒らなければ、人間の甲斐がありません。ペトロ、アンドレのような痴の集まり共は、ただ髭が生えているだけなのだ。それなのに、体質で髭が酷く薄いだけの私を子ども扱いするなんて。無能でとんまな弟子たちなんて、何も出来やしないのに、あの方の周りにゾロゾロと集って、背筋が寒くなるようなつまらないギャグを申し、無礼千万、許し難いことを平気で吐き捨て、その上あの方に少しも怒られやしない。私なんて、もし私がそんなことをしたならば、きっと、あのお方は私を追放したでしょう。そうだ。違いない。あの人は、私のことを嫌いなんです。あの人の父だって、私のことが嫌いなんです。私など、あの方がおっしゃるように、本当に、産まれてこないほうが、よかった。大丈夫です、落ち着いています。私は落ち着いています。なぜ、どうしてそんな顔をなさるのですか。私は落ち着いています。ええ、続きを申します。弟子の馬鹿共は、本当に、救いよう長いほど馬鹿でしたが、そんなあいつらも見捨てないで手をさしのべてくださるあの方は、優しい方でした。けれども、あの人は、私のことがお嫌いでした。最近になって、あの人の奇跡を、書物で読みました。あの人の言葉ではなく、弟子の馬鹿共の言葉で書いてあるので、どれだけ正しく伝わっているのか不安でしたが、読む度に、私はもう、胸をかきむしる想いでした。マルコの本は、何度も何度も読みました。ええ、「産まれてこないほうがその者のためによかった」、それ、それです。耳に甦ってくるようでした。確かに、あの人に言われました。あいつは、私のほうを見て、絶望に縁取られた表情で、そう言い捨てたんだ。ちゃんと覚えています。私は全て、覚えています。あの方が私に仰ってくださったことは、全て。それは、そんなに多くありません。多くないから、覚えていられるんです。はは、あの人は優しい人だったが、私に優しい人など、存在するはずがないんです。なぜなら、それは、私が私であるからだ。私は、人に嫌われるために存在している。暗い表情も、ぱっとしない貌の造形も、全てが嫌われるためのものなんだ。でも、私は美しいものが好きだ。そして、あの人が、美しいことは認めている。いや、あんなに美しい人はいない。私はそう思っています。ペトロやアンドレが、それを認識しているとは思いません。彼らには、美意識というものが欠けているのです。けれども私は知っています。あの人の笑顔は、人を安らかな気持ちにさせます。あの人が微笑まれるだけで、私はどんなに苦しくとも、あの方についていこうと、何度も決心したのです。それは、今でも変わっておりません。私がネトゲ廃人と成り果てたのは、決してネトゲが面白かったわけではないのです。つまらなかったとはもうしませんが、それよりも、あの方が、ネトゲにオンしていればあの方が、現れてくださるからなのです。もう二度と触れられないと思ったあの方の笑顔に触れることが出来るのならば、その機会を逃すわけにはいかないと、私は起きている間中、ずっとゲームにログインしていました。それを、よりにもよっておせっかいで無礼者のペトロが気づいて、私があの方を待っているのを見て、私の邪魔をしたのです。私は裏切り者の罪状の他に、ネトゲ廃人の烙印を突きつけられて、ネットから立ち退くこととなりました。ペトロは、私があの方のお側にいるのが気にくわないのだ。馬鹿な奴だ。それならば、私の本体を滅ぼしでもすれば良かったのに、私をネット界から追放するだけで、済ますなんて。いや、馬鹿じゃない。あいつは狡猾な奴なんです。本体を消滅させられれば、私はもう苦しまない。けれども、本体があるままで、ネットだけ取り上げられたのなら、私は苦しむ。あの方のお側にいられないことを苦しむ。それを知って、あいつは、そんな手段をとったんだ。ええ、私は、あの人だけではなく、弟子たちにも嫌われている。はは、知ってます。知ってる、知ってるんです。うるさい、私は知ってるんだ。ごまかそうとしても無駄だ。ああ、そうですね、続きですね。私はあの人の美しさを愛しています。けれど、あの人は、私の愛を受け取ってくださらない。私が何度、愛していると申し上げても、冗談としか思ってくださらないのです。ペトロは、そんな私を何度も戒めました。あの人は、どうして私の愛情を、受け取ってくださらないのでしょう。何もかもを捨て、あの人が私にくださった、はじめてくださった後に残るものである免罪符まで使って、今でもあの方のお側にいられるようにしたのに、ああ、あの人を、殺して、私も死にたい。けれど、あの人は復活する。ああ、あの人を殺してください! そして、その骸に火を付けて焼いてください! ああ、そうか、火を付ければいいのか! 火を付ければ、もう復活できなくなる。そうか、今までどうして思いつかなかったのだろう。火を付ければ。え、はい、ええと、そうですね。あの日のことを申します。あの日私は、あの方と、弟子たちと一緒に川の側で水浴びをしておりました。あの方は水がお嫌いですから、深く流も強い川では、決してペトロの手を離そうとはしませんでした。私が手を取ろうとしたところ、私は心許ないからと断られました。出過ぎた真似をしてしまい、あの方の私嫌いポイントがまた加算される音を聞き、私はなんだか、死んでしまいた