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ネイビーブルー
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【聖☆おにいさん】駈込み訴え【パロディ】

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りました。役人たちを呼び、そしてとんぼ返りであの方の元に戻りました。私は役人たちに申しました。弟子は十一人いるが、私が接吻をしたものが、あの方だと。どうして接吻という方法をとったのかは分かりません。知って欲しかったのかも知れません。私が、憎くて、あの方を裏切るのではないと言うことを。けれど、言葉に出すには私は臆病でした。結局私は、あの方と弟子たちに近づいて、気色ばむ弟子たちを無視し、中央のあの方にそっと近寄ると接吻をしました。私の、生涯はじめての、最初で最後の接吻です。それを合図に、役人たちがあの方をとらえました。私は、あの方が役人の汚らしい手で捕らえられているのを見て、なんだかひどく、おかしな事をしたように思いました。暴れていたペトロが、私に向かって「どうして」と叫びました。私は、なんだか、全てがよくわからなくなりました。私は走って逃げました。その後、あの方が磔にされたことを聞きました。十字架に打ち付けられたあの方は、さぞ美しかったでしょう。けれど、私はもう、それを見ることは出来ません。あの方が死んだと聞いてから、私もすぐ、死にました。三十銀を持ったまま、それが刀であるように、強く胸元に押し当てて、崖の底へ落ちました。神の使命を果たし、神に逆らい自殺しました。これが私の、唯一の神への抵抗でした。あの人を私に殺させた、悪魔への反逆でした。はは、私は、あのまま、死んでいた方が良かったのかも知れない。そうしたら、相変わらず馬鹿なペトロや、相変わらずとんまなアンドレに会わなくて済んだ。相変わらず美しいあの人にも会わなくて済んだ。おや、私はどうしてこんなことを申しているのでしょう。そもそも、私はどうしてこんな話を申し上げているんでしょうね。あはは、どうして、あなたにこんな事を申しているのか、私にも、分からないのです。泣いたりして、申し訳ございません。泣かないと決めたのですが、こればかりは、どうしようもありませんね。はは、ああ、そういえば、自己紹介もせずにすみません。もうすぐ四時になりますね。長々とすみません。私の話など、誰も聞いてくださいませんから、普段は人に対して何か話をすることなどないのに、少々喋りすぎてしまいました。もう帰ります。せめて名だけ名乗って帰ります。私の名前は、ユダ。へっへ、イスカリオテの、ユダ。

 それでは、さようなら。