夏は暑いというけれど!
六条の乱れた前髪を軽く整えてやると、帝人はテーブルから離れる。ついでに伝票は、と探すと、すでにレジで門田が支払を済ませているところだった。我が息子ながらこういうところが男前すぎるわ~、と帝人は思う。
「ね、京平、今度うちでパフェ作ってよ」
レシピ用意しとくから、と店を出ながら帝人は言う。
「良いっすねぇ、是非ご相伴に預かりたいっす」
「私も私もー!!」
始終和やかにワゴンが停まっているところまで歩いていった。
そして残された六条はというと…。
「ふっ…本気で惚れた」
絶対落としてやる!と決意も新たにしていた。
夏の暑さはナンパ師にあたらしい境地を開かせたようだ。
作品名:夏は暑いというけれど! 作家名:はつき