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こた@ついった
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novelistID. 1633
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一時でも離れたくない

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「ごめんなぁ。冷蔵庫の中に、何かあると思うから、それで堪忍な」
 そう謝ると腕を解かれた。そしてトスンと押され、俺の頭は枕へ。ロマーノは「寝ろ」と一言、部屋を出ようとして、やめて再びベッド脇に立つと、
「?」
 俺の目を掌で覆い隠す。その後直ぐに、ふに、と柔らかい感触が唇に。あ、ロマーノの唇、だ、あんな優しいのは。一瞬の口付けでも、夢の中、ふわふわとした泡沫の夢を見る。消えてしまいそう、な。
 手が退き、目を開けるとロマーノは部屋から逃げる様に出て行った。
 よく寝て、早く良くなろう。目を閉じた。



 スペインが目を閉じ寝息を立て始めたのを確認して、また部屋に入った。
 眠っている彼に喋りかける。起きている時には、言えそうにない。
「お前、この間、妙な事言ってたけど、」
 俺は不器用で、素直じゃない、から、あの時直ぐに返事出来なかったんだ。"お前を一人にして消えたら、どうする?"その問いに、今、口を開く。
「そんなの、探しに行くに、決まってんだろ、ちくしょー」
 いつも俺の家に来て好き勝手やって、「明日も来るわ!」と明るく笑って帰る彼が、今日は来なかった。メールも電話も無かった。どうしたんだ、何かあったのかって、すっげぇ心配だったんだ。家来て見たら、風邪引いてて。風邪も十分悪いけれど、もっと深刻な事じゃなくて安心した。
 世話掛けてる分、一生懸命、か、看病しようって、俺らしくない事を思った。
 嗚呼結局俺は、スペインの事ばかり、なんだな。嫌じゃなかった。