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こた@ついった
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novelistID. 1633
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一時でも離れたくない

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 え、え、わからへんよぉ。俺、鈍感や言われとるんよ、それじゃあわからへんよ、ロマーノ。本当は薄ら解ってはいても、やっぱり掛ける言葉が見つからない、という心もある。
「何で、連絡しねぇんだよ」
 顔を赤くして小さな声で落とす様に言うロマーノの茶髪を、手を伸ばし包み込む様に撫でた。普段は殴りかかって来るけれど、今日は別で、大人しくしていた。ほら、やっぱりそうや。みんなには違う言われるけれど、ロマーノもちゃんと俺の事好きでいてくれとるん、や。
 俯いたままのロマーノが立ち上がって、静かに両腕を伸ばしてきた。本当に、不安で仕方なかったんやな。気付かなくて、ちゃんと考えなくてごめんな。
「ロマ、ごめんな。連絡せんといて、こんな思いさせて、ごめんな」
 伸ばされた腕に応える様にぎゅっと強く抱き締めた。
 ロマーノがまだ小さかった頃、夜に「眠れない」って不機嫌そうな瞳を向けてきた事があった。色々な本を読んで聞かせたり、子守唄を歌ったりもした。そしてうとうとし始めた時、さっきみたいにハグを強請る様に両腕を伸ばしてきたよな。朝になればロマーノの頭からその記憶は抜け落ちていたけれど、嬉しかった。ロマーノが自分からハグを強請ったのはその一度きりだったけれど。
 ロマーノの身体は冷たい、けれどどこか温かかった。昔と変わらへんな。
「あ」
 グー、と小さな音。俺じゃなかったから、ロマーノを見ると、顔を真っ赤にしている。そして言い訳の様に「メシ食ってねぇんだよこのやろー……」と、縮こまった。
 ご飯はいつも俺が作っていた。トマトをふんだんに使った赤が多い料理。ロマーノも作ろうと思えば出来るらしいけど、キッチンを嵐が通った後みたいな惨状にしてしまうから、作らない。俺が居なかったけど、作らなかったん。俺が来るの、待っとってくれたん。そう考えるとどうしようもなくロマーノを可愛く、愛しく思った。衝動のままに鼻の頭に口付けると、吃驚した、ロマーノはばつが悪そうな色を浮かべたままじっとしていた。
「イタちゃんは作ってくれへんかったん?」
「ジャガイモ野郎の家行ってる」
「そうだったんか。ごめんなぁ、ロマーノ」
 何か作ってやらんと、と思ったけれど、思い出した様にズキン、と熱のある頭が痛みを訴える。嗚呼まだ、熱は下がっていないんだ。
「大丈夫かよ。料理いいから、寝てろ」