1111panic!
『ポッキーの日?』
アカデミア校内某所。今日も恋愛の極意を学ぼうと『愛の伝道師』を自称する吹雪の元を訪れていた万丈目とレイは彼の発した聞き慣れない単語に思わず声をはもらせた。
「そう!今日、11月11日はポッキーの日って呼ばれてるのさ。ほら、「1」が並んでるのがポッキーみたいだろう?」
「言われてみれば確かにそう見えるかも。けど、それと恋愛の勝負が何で関係あるんですか?」
「ふふふ、まだまだキミ達はツメが甘いねえ。」
レイの質問に吹雪は待っていましたと言わんばかりにビシッ!と人差し指を2人に突きつけ高らかに叫んだ。
「今日はポッキーの日、そしてポッキーと言えばポッキーゲーム!!イベントデーと称してさりげなく目当ての彼女、あるいは彼と接近するまたとないチャンスじゃないか!!」
『ポッキーゲーム…!!』
勿論年頃の2人はそのゲームの内容を知っている訳で、それぞれに意中の人を思い浮かべて頬を染めたのだった。
ポッキーゲーム。
それは2人が両端からポッキーを食べ進め、最後まで口を離さずにいた方が勝者となるゲームである。
2人とも口を離さずに最後までいった場合、当然のごとくキスをする形になるためほとんどの場合は先に勝敗が付くことになるのだが負けず嫌いな相手と接近するには絶好のチャンスと言えるゲームなのである。
「…レイ、お前はどうする?」
緊張でこわばった顔を何とか隠そうとしながらさりげなくレイに問いかける万丈目。
それに対してレイは既に決意したのかグッと両手を握り締めて答えた。
「もちろん、ボクは十代様にゲームを挑みに行くよ…!」
「フッ…それならオレ様達の利害は一致するな。レイ、オレは天上院君にアタックをかける。その隙にお前はしっかり十代の奴を捕まえとけ」
「共同戦線ってことだね」
2人はニッと笑いあうとがっちりと握手を交わすのだった。
「うんうん、そうこないとね♪この10JOIN吹雪、君たちの健闘を祈ってるよ」
「はい師匠!いくぞレイ!!」
「はい、万丈目センパイ!」
うまく万丈目とレイをけしかけることに成功した吹雪は満足そうに恋に燃える後輩達の後姿にひらひらと手を振った。
「…で、明日香様は目当ての殿方とかいらっしゃるんですか?」
「えっ?」
ところ変わってブルー寮。ジュン子、モモエとの会話から意識があさっての方向に向いていた明日香は不意に向けられた問いにはっと顔をあげた。
「ポッキーゲームのターゲットですよ!今日はポッキーの日ですし、イベントに乗っかって目当ての男を落とすチャンスです♪」
ついさっきまでぼんやりと考えていた話題を振られて体中の血液が沸騰したような錯覚を覚える。脳裏に浮かぶ少年の面影を頭から無理矢理追い出すと明日香は平常を装って口を開いた。
「馬鹿なこと言わないで。私はそんなものに興味はないわ。今の私には恋よりもデュエルの方が大事なんだから」
「さっすが明日香さん!そうですよね、やっぱりそこらの男なんかじゃ明日香さんには釣り合いませんよね!」
「でもこんなときくらいデュエルのことは忘れて素敵な殿方とのロマンスも追いかけてみたいものですわぁ」
「さてはモモエ、目当ての男がいるのねっ」
「ええそれはもう…」
再び会話に無中になった2人にほっとして明日香はその場をこっそり離れたのだった。
アカデミア校内某所。今日も恋愛の極意を学ぼうと『愛の伝道師』を自称する吹雪の元を訪れていた万丈目とレイは彼の発した聞き慣れない単語に思わず声をはもらせた。
「そう!今日、11月11日はポッキーの日って呼ばれてるのさ。ほら、「1」が並んでるのがポッキーみたいだろう?」
「言われてみれば確かにそう見えるかも。けど、それと恋愛の勝負が何で関係あるんですか?」
「ふふふ、まだまだキミ達はツメが甘いねえ。」
レイの質問に吹雪は待っていましたと言わんばかりにビシッ!と人差し指を2人に突きつけ高らかに叫んだ。
「今日はポッキーの日、そしてポッキーと言えばポッキーゲーム!!イベントデーと称してさりげなく目当ての彼女、あるいは彼と接近するまたとないチャンスじゃないか!!」
『ポッキーゲーム…!!』
勿論年頃の2人はそのゲームの内容を知っている訳で、それぞれに意中の人を思い浮かべて頬を染めたのだった。
ポッキーゲーム。
それは2人が両端からポッキーを食べ進め、最後まで口を離さずにいた方が勝者となるゲームである。
2人とも口を離さずに最後までいった場合、当然のごとくキスをする形になるためほとんどの場合は先に勝敗が付くことになるのだが負けず嫌いな相手と接近するには絶好のチャンスと言えるゲームなのである。
「…レイ、お前はどうする?」
緊張でこわばった顔を何とか隠そうとしながらさりげなくレイに問いかける万丈目。
それに対してレイは既に決意したのかグッと両手を握り締めて答えた。
「もちろん、ボクは十代様にゲームを挑みに行くよ…!」
「フッ…それならオレ様達の利害は一致するな。レイ、オレは天上院君にアタックをかける。その隙にお前はしっかり十代の奴を捕まえとけ」
「共同戦線ってことだね」
2人はニッと笑いあうとがっちりと握手を交わすのだった。
「うんうん、そうこないとね♪この10JOIN吹雪、君たちの健闘を祈ってるよ」
「はい師匠!いくぞレイ!!」
「はい、万丈目センパイ!」
うまく万丈目とレイをけしかけることに成功した吹雪は満足そうに恋に燃える後輩達の後姿にひらひらと手を振った。
「…で、明日香様は目当ての殿方とかいらっしゃるんですか?」
「えっ?」
ところ変わってブルー寮。ジュン子、モモエとの会話から意識があさっての方向に向いていた明日香は不意に向けられた問いにはっと顔をあげた。
「ポッキーゲームのターゲットですよ!今日はポッキーの日ですし、イベントに乗っかって目当ての男を落とすチャンスです♪」
ついさっきまでぼんやりと考えていた話題を振られて体中の血液が沸騰したような錯覚を覚える。脳裏に浮かぶ少年の面影を頭から無理矢理追い出すと明日香は平常を装って口を開いた。
「馬鹿なこと言わないで。私はそんなものに興味はないわ。今の私には恋よりもデュエルの方が大事なんだから」
「さっすが明日香さん!そうですよね、やっぱりそこらの男なんかじゃ明日香さんには釣り合いませんよね!」
「でもこんなときくらいデュエルのことは忘れて素敵な殿方とのロマンスも追いかけてみたいものですわぁ」
「さてはモモエ、目当ての男がいるのねっ」
「ええそれはもう…」
再び会話に無中になった2人にほっとして明日香はその場をこっそり離れたのだった。
作品名:1111panic! 作家名:結香