二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

八月の観覧車

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

 もう一度キスした。わたしたちは汗をかいている、と思った。地上に戻ったら、歩いて公園を出て、経一のバイクで家まで戻って、途中でケーキとチキンを取りに行って、サラダもパンもディップももうだいたい用意してあるから、帰ってもまだ夕食までには時間がある。シャワーを浴びて、もう一度お化粧して、いつもより少しだけお洒落して、乾杯、それから。
 まだこんなに今日がある。とても久しぶりに、子供のころのように、一日は長いのだと感じた。

****


――先生、わたしたち、この間みんなで観覧車に乗りに行ったんです。
――そうそ、ほんとはディズニー行きたかったんだけど、みんな金なくてさ、へへ。
――結構遠くて、暑くて大変でしたけど、でも楽しかったな。
――ああ、観覧車って、あの昔遊園地だったところの。
――遊園地?
――そうか、みんなはまだ小さかったから知らないかな。
  いま公園になってるところ、あそこ、昔は遊園地だったんだよ。
  さすがにディズニーランドみたいな豪華なのじゃないけどね、ジェットコースターとか、いろいろあって。
――へえ、先生、遊びに行ったりしてたの?
――いや、行ったことなかったな。いつか行こうなんて話はたまにしてたけど。
――そうなんですか、じゃあひょっとして、観覧車も乗ったことない?
――うん、たぶんないな。
――じゃあさ、今度先生も一緒に行こうよ。車出してよ。
――賛成!観覧車乗って公園でBBQしようぜ!
――それいい!9月に行きましょう、ね、先生。
――はは、じゃあ、レンタカー借りなくちゃね。

――みんな呼びましょう、みのり先生とかあの小柄なお姉さんとか、それから、先生のお友達の…、
  ほら、このあいだ、助けてくれた人たち。


――…ああ、そうだ。そうだね。
作品名:八月の観覧車 作家名:中町