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(努力←勝利)


しゃんと背筋を伸ばしながらも元気に駆け回る姿に自然と頬が弛みかける

が、その背中が追い掛けている人物に気が付き表情が一気に凍る

…あんな馬鹿野郎は放っておけばいいものの

しかし、真面目な性格の彼は絶対にそんなことはしないのだ

一生懸命アッチに行きコッチに行きをしている可愛らしい背中を目で追っていると

｢昔は追い掛けられる側だったのにね｣

と弟に笑われた…うるさいと返すと

｢たまには兄さんも追っ掛ける側になればいいよ｣

と何故だか嬉しそうな顔で言われた。

｢他人事だと思いやがって｣

文句を吐き出しのそりと立ち上がる。
確かに追い掛けるのは慣れないが、負けるのだけは絶対に嫌だと思った。