小話詰め合わせ(幸運男)
(勝利←友情)
人を利用しているのは自分も同じ事だったので
それに関しては文句なんて言ったことはない。
けれど、今回だけは事情が違う
いくら見つめるだけしかできないからって
似てる要素を持つ相手を代わりにするのはいただけない。
正義とかモラルの問題ではなく
思う相手が近くにいるのにわざわざ別に代わりを求めるのは馬鹿らしい…
何よりそんな消極的な行動は兄さんらしくないし、私自信が耐えられなかったのだ。
そんなにモヤモヤと悩まないでさっさと行動してしまえばいいのだ
どうせ道徳心なんて元々持ち合わせていやしないんだから
…背中を押したのは自分が心からそれを願ったからだ、でも
「ちょっと、寂しいかな?」
呟いた言葉は駈けていった兄さんには届くことはないだろうが
後ろで心配そうに見守ってくれていた友達には聞こえたようだ。
(それもいいかもな…)
ぎゅうと腕に抱きつく友達を振り返り、私はにこりと微笑んだ。
ちゃんと笑えているかはわからない
今私はどんな顔をしているだろうか?
作品名:小話詰め合わせ(幸運男) 作家名:ノゾム@ナイ修布教中!!