【DRRR】正夢/夢枕【臨帝】
》臨帝
『正夢/夢枕』
夕方から降り出した雨は、夜中になっても止むことを知らなかった。
薄い屋根や窓に当たるその音を聞きながら、いつものチャットに赴いていたまでは覚えている。
…しとしと、と。
降り続く雨音ときぬ擦れの気配。
目を開けると、そこに臨也さんがいた。
いつ寝たのかも覚えてないけれど、今起きたからには、今まで寝ていたんだと思う。
ぼんやりとした意識の中で、彼は言った。
「あ、起きた?帝人君。それともまだ寝てるのかな?」
暗闇の中、やっと顔が見えるぐらいの明かりに相手が浮かぶ。
その、目の笑わない笑顔がウザったくて、再び目を閉じる。
「つれないなぁ。じゃあ聞くけど、無視をするということは、今ここに俺がいることに疑問を抱いていないってことなのかな?そもそも今ここにいる、と思っている俺は、寝ぼけた君が見る夢だという見解も出来る。それじゃあ君は、俺が本当に存在していると思う?夢だと思う?」
夢でも現実でもウザい人だ。
だいたい寝ている人間に回りくどく質問を投げ掛けるなんてどうかしてる。しかもそんな訳のわからない質問を。
「ねぇ、どっちだと思う?今の俺は夢?現実?俺としてはどちらでもいいんだけど、君の意見とそこに至った経緯を想像したらワクワクしてきたよ」
目を閉じているのに、すぐ横でせがむ声がうるさくて、ウトウトとはするのになかなか眠れない。
もしかすると、このウザさは現実かも知れない。でもそうなると自分の部屋に臨也が夜中に勝手に上がり込んでいることになる。いくら何でも気持ち悪い。今すぐ死んで欲しい。
せがむ声は続くが、けして押したり体を揺らしたりしてはこなかった。目に見え、声は聞こえても、他にこの人を確認するすべがない。
夢なのか、現実なのか。そんなこと気にならないけど。
「…夢でしょうね」
僕は願いを込めてそう言った。
「正夢になると思いますが」
僕は今度は確信を込めてそう言った。
『正夢/夢枕』
夕方から降り出した雨は、夜中になっても止むことを知らなかった。
薄い屋根や窓に当たるその音を聞きながら、いつものチャットに赴いていたまでは覚えている。
…しとしと、と。
降り続く雨音ときぬ擦れの気配。
目を開けると、そこに臨也さんがいた。
いつ寝たのかも覚えてないけれど、今起きたからには、今まで寝ていたんだと思う。
ぼんやりとした意識の中で、彼は言った。
「あ、起きた?帝人君。それともまだ寝てるのかな?」
暗闇の中、やっと顔が見えるぐらいの明かりに相手が浮かぶ。
その、目の笑わない笑顔がウザったくて、再び目を閉じる。
「つれないなぁ。じゃあ聞くけど、無視をするということは、今ここに俺がいることに疑問を抱いていないってことなのかな?そもそも今ここにいる、と思っている俺は、寝ぼけた君が見る夢だという見解も出来る。それじゃあ君は、俺が本当に存在していると思う?夢だと思う?」
夢でも現実でもウザい人だ。
だいたい寝ている人間に回りくどく質問を投げ掛けるなんてどうかしてる。しかもそんな訳のわからない質問を。
「ねぇ、どっちだと思う?今の俺は夢?現実?俺としてはどちらでもいいんだけど、君の意見とそこに至った経緯を想像したらワクワクしてきたよ」
目を閉じているのに、すぐ横でせがむ声がうるさくて、ウトウトとはするのになかなか眠れない。
もしかすると、このウザさは現実かも知れない。でもそうなると自分の部屋に臨也が夜中に勝手に上がり込んでいることになる。いくら何でも気持ち悪い。今すぐ死んで欲しい。
せがむ声は続くが、けして押したり体を揺らしたりしてはこなかった。目に見え、声は聞こえても、他にこの人を確認するすべがない。
夢なのか、現実なのか。そんなこと気にならないけど。
「…夢でしょうね」
僕は願いを込めてそう言った。
「正夢になると思いますが」
僕は今度は確信を込めてそう言った。
作品名:【DRRR】正夢/夢枕【臨帝】 作家名:cou@ついった