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ワールドイズアキラズ

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3


 おかしい。
 この時間になってもアキラが来ない。
 どんなに夜の『公務』を無理強いしたとしても、統一日本国元首シキ総帥の有能なる秘書たるアキラがその執務に遅刻したことなど一度たりとてない。
 壁に掛けてある時計を見遣る。矢張り、一度アキラの部屋に連絡を入れてみるべきか。そう迷っていたところに、乱暴な足音が近づいてきた。ブーツの靴音に混じって、聞こえる悲鳴。
 そして――不躾な殺気。
 どこかから、『鼠』でも紛れ込んだのだろうか。しかし、シキの部屋までやってくるとは相当な手慣れかもしれない。
 日本刀に手をかける。
 乱暴に開け放たれる扉。
 しかし、そこに現れた人影にシキは瞠目する。
 そこに佇んでいたのは紛れもなくアキラだった。
 但し、レザーのコートに身を包み、血に濡れたサーベルを携え、隠し様の無い剥き出しの殺気を剥き出しにした。
 何の迷いもなく踏み込み、放たれる一撃をとっさに日本刀の鞘で受け止める。
「やっと見つけた」
 一歩引き、さらにもう一撃。今度は、抜刀せざるを得なかった。それほどまでに真剣に、アキラは自分に斬り掛かってきている。
「アキラ、いったいこれは何の真似だ?」
 シキとしてはこの行動に戸惑うより他にない。確かに少々無茶はさせたかもしれないが、こうして斬り合いになるほどまでに恨みを買うようなことを昨晩した覚えは……多分、ない。
「何の真似? 追いかけて来いと言ったのはアンタだ……ろッ!」
 爛々とその瞳を輝かせ、アキラは普段しないような乱暴な言葉で言い捨てる。言い捨てざま、さらに一撃。殺しあおうとしている。真剣に。
「追いかける?」
 まったく、身に覚えがない。
「アキラ様だの何だのよくわかんないことを言われたが、とにかくアンタが見つかったんだからそれでいい」
 ふだんの『アキラ』が見せる忠誠心とは全く真逆の、殺気立った射るような獣の瞳。
 かつての自分を思い出す。トシマで、プルミエを追い、ライン中毒者を斬り捨てていた頃の自分を。
「俺はアンタを殺す」
 アキラの眼は、真剣だった。
 どうやら、有能な秘書殿はいつの間にか自分の追跡者になったらしい。
 ならば。
「……身の程を教えてやる」
 なぜだか不思議と、シキの中に普段感じたことのないような情熱の炎が己の内に逆巻くのを感じた。
「アンタがやる気になってくれたんだったらそれで十分だ!!」
作品名:ワールドイズアキラズ 作家名:黄色