二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

愛は戦争

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
手入れしたばかりの日本刀を鞘に納める。決意は、変わらない。
 倒すべき相手が一人増えた。
 ――ただ、それだけのことだ。
「聞いているんだろう。『悪魔』? 俺の望みを、かなえてほしい」
 空間がゆがむ。またあのあ空間に移されるのだろうか。
 と思ったら、相手の方が現れてきてくれた。
「これ、は……?」
 戸惑っている黒衣の姿は紛れもない。
 ――『アキラ』だ。
 問答無用で、鞘から日本刀を引き抜き相手に斬りかかる。
 向こうも今回は本来の獲物を持っていた。
 キイン、という特有の金属音を鳴らして2本の日本刀がぶつかりあう。
 相手は明らかに動揺と――そして怒りをその眼に宿らせている。
 自分と同じ顔。青い瞳。
 それでも決意は、変わらない。
「何の……真似だ?」
 不機嫌そうに、『アキラ』が『アキラ』に尋ねる。
 黒いコート。首に下げたクロス。見覚えがある。あの時、真っ先に『悪魔』に斬りかかった『アキラ』だ。
「俺は……決めたから」
 首に下げたクロスを握りしめて。アキラが決意の炎を瞳に揺らす。
「シキを、必ず守るって」
 それがどんな相手でも、だ。例外はない。だから――
 異なる時間軸にいる『自分自身』だろうと。シキに害をなそうというのならば、斬り殺さなければならない相手だ。
 意を決して、踏み込む。斬りかかる。
 相手も相当な手慣れだ。
 斬りかかったその太刀筋を一瞬で見極めて受け止められた。
 構わず、半歩引いて尽き。
 切っ先で捻られかわされる。それを読んでいた。そのまま振り下ろした勢いをつけて、そのまま相手の腿まで斬り込む。
(――浅い!?)
 寸手のところで退かれてかわされた。傷は負わせられたがとても致命傷には至らない。
「……誰が誰を守るって?」
 庇うように足をおさえ、グレイのコートのアキラが問う。瞳にわずかにまだ動揺の色を残して。
 『アキラ』はまだ戸惑っているらしい。
 だから決意を見せ付けるように、クロスに一度キスをして。
「俺が、シキを、だ」
 きっぱりと言い放つ。意味がわからないのだろう。
 くるりと踵を返す。
「逃げる気か……!?」
「違う」
 背で言い放つ。見せることに、抵抗はあった、だけど。それが決意の証と受け取ってもらえるならば。大股で歩き――銀のグリップに手をかける。
 物陰に隠していた人影、それは。
「シ、キ……?」
作品名:愛は戦争 作家名:黄色