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彼女の悩み

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 パティがひとこと寂しいと言ってくれれば、もちろん紅葉だって気がついた。だがその一言がなかなか言えないのは、甘えることを知らない子供にはよくあることだ。
「恥ずかしがらなくてもいいのよ、あなたぐらいの子にはよくあることなの」
「ほんとう?」
「もちろん。ね、正直に話してちょうだい、相談にのるから」
 澪がいいかしら、いやカズラのほうが適任かも。澪は気が強いし協調するのが苦手だから、パティと衝突する可能性が高い。それにカズラにパティのことを任せれば、うまくすればカガリとも仲良くなってくれるかもしれないし……。
「こんなコト言うの……内緒にしてくれますか」
「ええ」
 恥ずかしげに頬を染める少女に笑顔で頷き返すと、パティはほっと安堵したようだった。そしてその可憐なくちびるを開き、ついに胸の裡を吐露しはじめた。






「外見から言って王道は賢木攻だと思うの。経験豊富そうな賢木が真面目な皆本を翻弄する、というシチュエーションは、ベタながらやはりたまらないものがあるわ。眼鏡受というのもポイント高いし……でも色々考えているうちに、その逆もアリなのではないか、ともう一人のパティが囁き始めたの。大人しそうな皆本が夜はケモノに変身、サイコメトリー能力で感度は人一倍と考えれば賢木は受としての素質も充分。男くさいタイプの彼が褐色の肌を染めて息も絶え絶えに喘ぐ姿を想像すると、私の中の何かが今にも目覚めそう。ああ……どちらも捨てがたくて、今まさに私の心は引き裂かれているわ。賢木×皆本か皆本×賢木か、まわる回る二人のロンド。リバという手もあるけれど、これはある意味どちら派からも共感を得られない茨の道で……あら、紅葉さん? 紅葉さーん?」





 後日。
 パンドラのアジト内では、黒巻節子の胸ぐらをわしづかみ、
「どうしてああなった」
 とがくんがくん揺さぶりまくる加納紅葉の姿が目撃されたという。
作品名:彼女の悩み 作家名:MYM