あさりのじゃれあい
廊下を抜けて、玄関へ。玄関を出て、庭へ。そこでは、お兄さんがロードワーク中だった。
「おう!沢田。お前も一緒にするか!?」
「い、いえ!ご遠慮します!ちょっと今、雲雀さんに追いかけられているもので」
両脇にいる骸とランボを見て、お兄さんはふむと頷いた。状況を察してくれたのだろうか。できれば、匿ってほしいのだが。そう願う俺に、しかしお兄さんは自分の話を始めた。
「そういや、昨夜は雲雀と飲みに行ったな!!」
「・・・・・・は?」
横を見ると、骸とランボも同じ顔をしていた。今、この人何て言った?あの雲雀さんとお兄さんが飲みに行った?
「うむ!まあ、あの男は予想通り渋ったが、無理矢理連れて行った!結局、最後まで付き合ってくれたのだが、妙に雲雀は疲れていたな。まあ、そんなことはどうでもいい!俺は極限に楽しかったのだからな!」
ああ、雲雀さんが壊れた理由はこの人か。まさかまさかの原因はこの人か。無意識に頭を抑えた。横を見ると、骸とランボも頭を抑えていた。珍しいこともあるものだ。
大方、お兄さんの絡みに珍しく雲雀さんは耐えて耐えて(そういや、雲雀さんはお兄さんを見ると闘争心が萎えると言っていた)、そして明けた今日。そのストレスが爆発したのだろう。ほんの少しだけ、雲雀さんに同情する。ただ、俺を巻き込まないでほしい。
「ボンゴレ!雲雀氏が来ました!!」
「おう!雲雀ではないか!!」
お兄さんはにこにこと雲雀さんに手を振る。これを見て、雲雀さんの闘争心が潰えないかと祈ってみるが、雲雀さんは嫌そうな顔をして更に殺気を増やした。
「これはどうやら、闘わないといけないようですね」
「なあ、骸!頼むから、お前、行ってきてくれないか?」
「・・・・・・綱吉くん、僕を生贄にしようとしてません?」
「俺は例えお前が倒れたとしても構わないよ!」
「帰ります」
そう言って、骸は薄情にもクロームに戻った。卑怯な奴め!俺がクロームを危険な目に遭わすことができないとわかって!
その骸の行動に、俺は頭の中の何かがぶちっと切れる音がした。隣でランボが、ボ、ボンゴレ?と心配そうに聞いてくる。大丈夫だよ、と俺は笑って言った。のに、ランボは半泣きだった。
「うん、ほんとに大丈夫。例え、右腕と親友が全然役に立たないとしても、パイナポーが鬼畜で薄情なやつだったとしても、お兄さんが全く空気を読んでくれないとしても、雲雀さんが戦車のように屋敷を破壊したとしても!!」
ランボがひっと青褪める。ランボは何もしてない、むしろ空気を読んでちゃんと全速力で逃げてくれた。その判断にはご褒美をあげなくては。
「これからやらなきゃいけない始末書に比べたら、全っ然大丈夫だからね!!!」
もう、いいよね?もうキレてもいいよね?ここまで家破壊されたら、もう同じだよね?
向かってくる雲雀さんに、俺は炎を灯して対峙する。まず、この人止めなきゃ何も始まらないのだから。左手を前に、右手を後ろに。集中させて炎を高める。いつからだろう、この技が守護者暴走時のストッパーになったのは。
「とりあえず、お前ら全員減給だあああああ!!!」
渾身のイクスバーナーは、屋敷を半壊にしてこの茶番に幕を下ろした。
「おう!沢田。お前も一緒にするか!?」
「い、いえ!ご遠慮します!ちょっと今、雲雀さんに追いかけられているもので」
両脇にいる骸とランボを見て、お兄さんはふむと頷いた。状況を察してくれたのだろうか。できれば、匿ってほしいのだが。そう願う俺に、しかしお兄さんは自分の話を始めた。
「そういや、昨夜は雲雀と飲みに行ったな!!」
「・・・・・・は?」
横を見ると、骸とランボも同じ顔をしていた。今、この人何て言った?あの雲雀さんとお兄さんが飲みに行った?
「うむ!まあ、あの男は予想通り渋ったが、無理矢理連れて行った!結局、最後まで付き合ってくれたのだが、妙に雲雀は疲れていたな。まあ、そんなことはどうでもいい!俺は極限に楽しかったのだからな!」
ああ、雲雀さんが壊れた理由はこの人か。まさかまさかの原因はこの人か。無意識に頭を抑えた。横を見ると、骸とランボも頭を抑えていた。珍しいこともあるものだ。
大方、お兄さんの絡みに珍しく雲雀さんは耐えて耐えて(そういや、雲雀さんはお兄さんを見ると闘争心が萎えると言っていた)、そして明けた今日。そのストレスが爆発したのだろう。ほんの少しだけ、雲雀さんに同情する。ただ、俺を巻き込まないでほしい。
「ボンゴレ!雲雀氏が来ました!!」
「おう!雲雀ではないか!!」
お兄さんはにこにこと雲雀さんに手を振る。これを見て、雲雀さんの闘争心が潰えないかと祈ってみるが、雲雀さんは嫌そうな顔をして更に殺気を増やした。
「これはどうやら、闘わないといけないようですね」
「なあ、骸!頼むから、お前、行ってきてくれないか?」
「・・・・・・綱吉くん、僕を生贄にしようとしてません?」
「俺は例えお前が倒れたとしても構わないよ!」
「帰ります」
そう言って、骸は薄情にもクロームに戻った。卑怯な奴め!俺がクロームを危険な目に遭わすことができないとわかって!
その骸の行動に、俺は頭の中の何かがぶちっと切れる音がした。隣でランボが、ボ、ボンゴレ?と心配そうに聞いてくる。大丈夫だよ、と俺は笑って言った。のに、ランボは半泣きだった。
「うん、ほんとに大丈夫。例え、右腕と親友が全然役に立たないとしても、パイナポーが鬼畜で薄情なやつだったとしても、お兄さんが全く空気を読んでくれないとしても、雲雀さんが戦車のように屋敷を破壊したとしても!!」
ランボがひっと青褪める。ランボは何もしてない、むしろ空気を読んでちゃんと全速力で逃げてくれた。その判断にはご褒美をあげなくては。
「これからやらなきゃいけない始末書に比べたら、全っ然大丈夫だからね!!!」
もう、いいよね?もうキレてもいいよね?ここまで家破壊されたら、もう同じだよね?
向かってくる雲雀さんに、俺は炎を灯して対峙する。まず、この人止めなきゃ何も始まらないのだから。左手を前に、右手を後ろに。集中させて炎を高める。いつからだろう、この技が守護者暴走時のストッパーになったのは。
「とりあえず、お前ら全員減給だあああああ!!!」
渾身のイクスバーナーは、屋敷を半壊にしてこの茶番に幕を下ろした。