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同軸上で歌う不和

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難解な問題が発生した。日頃の行いの支払いが首を揃えて、請求を一斉に、天敵さえも引き連れて取り立てに来た気分である。
折角専属にならないかと誘ってくれたのに、あのこを囲う者らは自分の本性を嫌という程知っているのだから、もう少し計画的にならなければなるまい。
最も近しい距離に配置されている筈なのに説明を忘れられ、虚しさと戯れて居ても仕方ないと諦念に切り替え中の秘書とやらよりは幾分マシではあるけども。

それはもう目に入れても大丈夫な程大事に飾り付けられ、轟く俗評から外見に不釣り合いな位畏れられていても、そのこは柔和に微笑むことを止めない。
何もかもが純粋に突き抜け過ぎて、無垢からくるものかどうかの判断は不可能だが。
外見とは言ってしまえば個性の一部である。本性を出すも隠すも自由で、ある意味その取捨でもどんな人物かの種類を暗示する。そう。結論だけ言えば、あのこは眼だけがその他の平凡に埋没し切らない、継ぎ接ぎで不安定な成長を続ける本性を現している。狂気を上手に飼い、身籠いながら。
これだから人間が好きなんだよ。偶に原石が紛れているんだから。

しかして自覚がない本人というのも大変不安である。あれでは危機意識が足りないんじゃないの。頭という急所を隠さずに、ありのままで居るのもどうかと思うよ。いや、親切心から本当に。
作品名:同軸上で歌う不和 作家名:じゃく