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昔話パロ その1

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※昔話パロ、元ネタ「絵姿女房」


昔むかし、ある村にルートヴィッヒという男がおりました。
この男、とても働き者だったのですが、いかんせん色恋沙汰には全くの不得手だったので、嫁さんがおりませんでした。

ところが、この春にこんなルートヴィッヒに嫁さんが来たそうです。
嫁さんの名前はリヒ。
とても可愛らしく、気立ての良い嫁さんでした。

なんでも、リヒがルートヴィッヒの一生懸命に働く姿に一目惚れしたんだとか。
「ヴェー。良かったね、ルート。リヒちゃんに愛されてるね~」
ルートヴィッヒの親友(自称)のフェリシアーノは茶化し、
「本当に。あんなに可愛らしい奥さんなんて、二次元で……いえ、何でもありません」
同じくルートヴィッヒの親友の菊はヲタ発言をしそうになりましたが、自重しました。

話は変わりますが。
リヒには1人の兄がおりました。
兄の名前はバッシュ。
傭兵をしており、家にあまりいませんでした。
というのも、この国の王様がとても戦好きで、年中周りの国々と戦争をしていました。
なので、バッシュはあまり会えない妹のリヒを溺愛していました。
だから、リヒが「ルートヴィッヒさんのところへお嫁に行きます」とニッコリと微笑んで言いました。
すると、バッシュはショックのあまり、1週間寝込んでしまいました。
まぁ、紆余曲折を経て、リヒはルートヴィッヒのお嫁さんになりました。

ところが、リヒがルートヴィッヒのところへ嫁いでからは、村の男衆が何かにつけてリヒを見に来るようになりました。
やれ「川で大量に魚が獲れたから、お裾分けだ」とか、やれ「野菜のお裾分けだ」等々。
畑仕事に出かけているルートヴィッヒは気が気でなく、リヒをつけ狙う野郎共に睨みを利かすために、リヒにベッタリとなってしまいました。
リヒは、働かずに自分の側にベッタリのルートヴィッヒにほとほと困ってしまいました。
そこで、絵が得意なフェリシアーノに頼み、紙にそれぞれリヒトルートヴィッヒの絵を描いてもらいました。
そして、リヒの絵はルートヴィッヒが持ち、ルートヴィッヒの絵は家の戸口に張りました。
すると、睨みを利かしたルートヴィッヒの絵を怖がった村の男衆は、あまりリヒには近づかなくなりました。
ルートヴィッヒの悩みの種は消え、ルートヴィッヒは前よりも一層働くようになりましたとさ。

しかし、話はここで終わりませんでした。

作品名:昔話パロ その1 作家名:桜飴♪