Let Love and Friendship Reign
―Let Love and Friendship Reign―
(愛と友情に支配させよ)
7月12日。
この日は、スイスが愛してやまない妹のリヒテンシュタインの誕生日だ。
毎年、この日は兄妹水入らずで、リヒテンの誕生日を祝っていた。
数年前には、節目の年という事で、リヒテンはスイスとでなく、上司である侯爵家や国民と共に誕生日を祝った。
今年は、周辺諸国や交友のある国を招いて、リヒテンの誕生日を祝った。
今回の発起人は、スイスではなく、ハンガリーとイタリア・ヴェネチアーノだ。
スイスがハンガリーにリヒテンの誕生日プレゼントについて相談したのが、事の発端だった。
ハンガリーが「兄妹二人だけなんて、寂しいわよ!!オーストリアさんとか、ドイツとかと一緒にパァーッと盛大にお祝いしましょ!」とスイスを無視して、勝手に話を進めて、このような事態になってしまった。
スイスは終始しかめっ面だったが、主役であるリヒテンはとても嬉しいそうだった。
招待客の中に、リヒテンの恋人(スイスは断固否定!)がいたからだろう。
その日の深夜近くに誕生日パーティーはお開きとなり、招待客はホテルへ帰っていた。
翌朝には皆、自宅へと帰宅する予定だ。
翌朝、スイスはいつも通りの静かな朝を迎えた。
“あれ”を目撃するまでは……。
作品名:Let Love and Friendship Reign 作家名:桜飴♪