Hiwaily*2 番外編 その8
「もしよければ、本当に引き抜いても良いんだけどね」
その言葉で、再び店内は凍りついた。
直人は固まり、何を言おうとしても口は開かない。
代わりに、あんずがキッパリと口にする。
「蛇足さん。引き抜くことは私が許しませんよ」
その言葉で、直人は一瞬ほっとしたが、次の瞬間。
「どうしてもというなら、うちにレンタル料振りこんでくださいね」
「え?」
「いくらだい?」
「は?」
直人は驚きのあまり変な声を出して二人を見る。
当の二人は大人の笑みを浮かべて、早くも商談モードに入っていた。
「ちょ、あんずさん、まさか俺を売り飛ばすとかないですよね」
「直人、人生すべて勉強ですよ」
「かっこいいこと言ってるけど、この人間違ってる――――!!!」
直人のツッコミが、部屋に響くのであった。
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作品名:Hiwaily*2 番外編 その8 作家名:響嵐



