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ぎとぎとチキン
ぎとぎとチキン
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恋は銭湯~サンプル~

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カポーン。
富士山のタイル絵を背景に、帝人は湯に浸かっていた。
広い広い湯船の中は、帝人一人きり。
思い切り両手を伸ばしたり、泳いだりも出来るのだが、帝人はそうせずにただ湯船の縁に顎を乗せて、洗い場を見ていた。
洗い場の、戦争を、見ていた。

「いぃいいいいざぁああああやぁああああ!死ねむしろ死ね悉く死ねもっそり死ね!」
「もっそりってなにそれ馬鹿なのシズちゃん、あ、馬鹿だったよねーごめんねー今更だった!というかシズちゃんが死ね!」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」
「またそれー?馬鹿の一つ覚え、本当語彙が貧困だよねー。」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」
「あ、ちょっ、シズちゃんなに鏡剥がそうとしてんの!」

ここ、池袋で戦争と言えば、真っ先に思いつく二人。
平和島静雄と折原臨也が、今、帝人の目の前、つまり銭湯の洗い場に居た。
しかし二人はいつものように物騒な武器(自動販売機とか標識とかナイフとか)ではなく、何故か洗面器や風呂椅子や石鹸を武器としていた。
裸に腰タオルの状態で、
ちょっと、修学旅行のようである。
とりあえず帝人は洗い場を破壊されては困るので、手をメガフォンにして大きな声で「壊さないで下さいねー!」と言っておいた。
静雄はキレている最中だというのにピタリと手を止めると、目標変更して風呂桶を掴んで、投げる。
臨也はそれを避ける、というか勢いを上手く殺しつつ端に放って、掴んだ石鹸を静雄の足元に向かって投げた。

「だから壊すなって帝人君言ってんじゃん、シズちゃんの馬鹿力で投げたら例え風呂桶だって砲弾だよ、ちゃんと理解してんの?馬鹿だよね、知ってたけど!」
「だったらてめぇも石鹸投げてんじゃねぇ!!俺がこけたら床に穴開くぞ!」
「わーなにそれシズちゃんてほんと化け物だよねえ!」
「つーかその名前で呼ぶんじゃねぇえええ!」
「今頃?反応おそーい、ばーかばーか!」
「ばかって言った方がばかだこのばか臨也!」
「自分も言ってんじゃん!」
小学生か。
帝人は思わず心の中で突っ込んで、溜息を吐く。
ぶくぶくと鼻下まで湯に沈めて、帝人はどうしてこんな状況になったのか、振り返った。