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空の境界~未来への軌跡~4

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〜お見舞い〜


その様子を、病院入り口から入る所を確認する二組の異能力者がいた。

「黒桐、本当にいいのか?失敗すれば、大輔は本当に殺されるかもしれないぞ。」
「そうかもしれないね。」

黒桐幹也は、隣で身を隠している式にそういった。

「確かに殺される可能性も有るけど、僕は棟子さんも信じているから、たぶん大丈夫だと思う。」
「多分って、棟子はそんなに甘い女か?」

確かにその可能性の方が高いのだろう。しかし自分には、棟子さんが大輔を殺す事ができないのではないかと思っていた。式が小川マンションに閉じ込められていた事件の時

「魔術師という者は、他人には厳しい分身内には甘いものだ。」

と言っていた。もしそうなら、大輔さんからの婚約指輪なんか消炭にでもしていただろうが、それもしていなかった。
いうなれば、「身内」として認識されたのかも知れなかったのだ。

「ともかく、大輔兄さんの恋路が破滅に終わったら、それこそ君の出番だよ。」
「あまり気が進まないがな。」

そう言っていながら「エミヤ」君からもらった「名刀・備前長船」を抜きたくってうずうずしているようだった。


もう一組はFate組こと「凛」、「セイバー」、「アーチャー」である。
近くのビルの屋上から、大輔の部屋が一望出来るポジションに張っていた。おそらく「サーバント」ではトップクラスの「視力」を持つ「アーチャー」ならではの配置であろうと思われた。

「ターゲットが病院内に入って行ったぞ。」
「そう」

凛は力無く答えた。そういうのも、いくら魔宝石を使っても一人で「封印指定」の魔力を抑えるだけの魔法を張り巡らさなければならなかったのだから、当然の結果である。

「私は、向こうにいた方が良かったのではないでしょうか?」

「セイバー」がおずおずと聞いてきたが、

「そしたら、もしこちらが先に発見された場合、凛と俺だけでは、対処ができない。」

という理由で残ってもらっていた。

「あいつは、言峰か「ギルガメッシュ」クラスの使い手だ。正直、俺でも危なかった程だ。単体でも奴と当ると成ると、それ相応の戦力が一度に必要だ。」
「だからといって、若者達にその任を負かせるのは気が重いです。」
「だから、「本格戦闘は避け、出来るだけの時間稼ぎに徹しろ。」と言っていたであろう。」
「しかし、」
「俺の弓を信じていろ。」
「解りました。」

凛は、既に力尽き鉄柵を枕に眠りに入ってしまっていた。そして「アーチャー」はその「若者達」が控えているであろう病室に目をやった。

「もっとも、ガキ共は最早そんな事関係ない様だがな。」
「何か言いましたか?」
「いや、ただの独り言だ。」

そう言って、早速凛の張った結界が対象の寝ている「隣」の病室で発動していた。


〜月姫・再来〜

事の始まりは、まだターゲット「蒼崎棟子」が到着するしばらく前に遡る。志貴達は「「秋巳大輔」の部屋を中心に「コの字」状に僕らを病室に潜ませ、「アーチャー」からの合図で

「秋巳大輔」の部屋で「蒼崎棟子」と戦闘する。」

と言うものだった。それは本格戦闘ではなく、あくまで「両儀式」「セイバー」の到着までの時間稼ぎである。「アルクエイド」と妹の「本気になった「秋葉」」、「自分」同時なら勝てる見込みが有るように思うのだが、「人間」が相手だと幾ら自分を殺そうとしても気が引けてしまうのでその案に乗ることにした。
そして、自分は「直死の魔眼」で壁を壊す事が出来たので、隣の病室に陣取り今か今かと待っていたときのことだ。

「シ〜キ君」

いきなり後ろから甘ったるい声と共に抱きつかれた。

「アルクエイドどうしてここに?」

彼女も他の部屋で待機中のはずだった。なのに、どうして、自分の部屋にいるのだ?

「そりゃこういうことでもない限り、夜這いできないもん。」

そういってベットに自分を押し倒し服に手を伸ばしたときだった。
ゴトンという音で何かが、床に倒れたようだった。
それは、簀巻き状にされたセシルだった。

「先輩が何でここに?」
「あ、彼女が自分より先にここに居たんで、悪いとは思いつつ縄で縛っておいたの。」

確か、セシルも別の部屋だよな。

「それじゃ〜続きを〜」
「待ちなさい。」
ドアが「ダン」と大きな音を立てて開いた。
「アルクエイド、お兄ちゃんから離れなさい。」

そこには、妹秋葉が凄い形相をして立っていた。言うまでもなく秋葉も他の部屋に待機中のはずだった。

「あら、これから良い所なのに邪魔がはいちゃった。」

そして、室内に入ってくると秋葉の髪が紅くなり完全に戦闘態勢に入っていた。

「志貴君、しばらく待っててね。」

そういうと、アルクエイドも戦闘モードになり迎撃態勢をとった。
そして、ターゲット到着前に戦闘が開始された。
そのころ琥珀、翡翠姉妹はというと琥珀の持ち込んだテレビゲーム機で遊んでいたのだ。
そういうのも、お昼に志貴が翡翠に

「オレンジ・ジュースを買ってきて。」

と頼んだのだが「自販機」という物は、「お金を入れれば、飲み物が出てくる。」ということしか知らなかったため、「テレビを見る為のカード」の購入機を「ジュースの自販機」と誤認してしまったのだ。勿論、ジュースではなくテレビ用のカードしか出てこず、何枚も購入してしまった。あまりにも遅く見に来た琥珀に止められ、ようやく「違う事」に気がついたのは良いのだがカードの枚数が半端ではなかった。
「自分達で、処理しよう。」ということになり、結果翡翠も姉に押し切られる様に参加することになってしまった。

「本当にこれで良かったのでしょうか?」
「いいんじゃない。まだ、「アーチャー」さんから合図出てないし。」
「そうですか?」

そういいながら、格闘ゲームを二人は続けていた。

ちなみに「アーチャー」がこの事を二人に伝えなかったのは、一度戦ったものの本気の「蒼崎棟子」がどのくらいか、解らなかった事に対する警戒だった。それと出来れば、未来ある少年少女達に戦闘をさせたくもなかったからでもった。
そして本当の目的は、「両儀式」にあるのだから。


〜面会そして・・・〜

蒼崎棟子が部屋の前に着くと「面会謝絶」の看板と共に「侵入禁止」の結界が張られていた。

「遠坂凛か、みえみえの結界だぞ。」

そういうと銀製のナイフを取り出すと、軽く取っ手に振り下ろした。

「結界は、もっとうまく偽装させておく物だ。」

当人が聞いたら

「すみませんね。階一帯に結界張り巡らさなきゃならなかったから、そこまで魔力持ちませんでしたよ。」

と言うだろう。
蒼崎棟子は、ナイフをしまうと病室に入ってきた。

「とりあえず、気分が悪いのでこれは返さなきゃな。」

そういって指輪の入ったケースを取り出しベット横の移動式の棚に置こうとしたときである。その腕を掴まれベットに引き寄せられた。

「どう、ちゃんと覚悟は見せたよ。」


~作戦~

そこには、寝ていたと思っていた秋巳大輔が起きていた。実は幹也君は大輔さんが何時でも覚醒可能だった事を遠坂凛から聞いていたのだ。

「それじゃ〜病室のドアから棟子さんが入ってきたら、覚醒させて。」

と注文を受けたのだ。無論