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【DRRR】 emperorⅠ 【パラレル】

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静雄さんは、僕を望んでくれたのに。
何の関係もないただの知り合いの子供だった僕を、助けに来て、くれたのに。
僕はこの人を、助けられない。



(「それ聞くと破壊衝動が抑えられるんだよな」)
(「そうそう、静雄がイライラしたときにいっつも聞いてたよね」)



―――そうだ。
いつの日か、静雄さんが言っていた気がする。
あの人も僕の歌を聞いていたのだと。
彼は今も昔も、自分を望んでいてくれた。
望んでくれた人に、父に、母に、歌を、歌った。


―――そうだ、”こちらの声”なら届くだろうか。


それは、普段声がでているところとは全く別の器官から風が音を伴って漏れ出て行くような感覚だった。
確かにそれは口から出ているが、それはすでの声ではなく、何かの音楽。
風の声。
鼓動がまるでリズムを打つように強く繰り返され、耳の奥で鳴り止まない。
今、自分から出て行くのは、自分を望んでくれた人への僕の中に生まれた全ての感情。
恐怖、悲しみ、無力感、恋しさ、保護欲、庇護欲。
愛。

歪んだ想いも何もかも。
この風の声に乗せてあげる。
あなたに届けばいい。その心の奥底まで。
魂に刻み付けるように深く切り込んで。この歌を。


古びた倉庫の中にはいつの間にか、真っ直ぐなライトが四方から差し込んでいた。



…………継続。⇒emperorⅡhttp://2.novelist.jp/23415.html