飲みすぎ注意
イギリスはとにかく酒癖が悪い。酔えば愚痴を言って絡みだすのは当たり前、ひどい時などは服を脱いで騒ぎ出すことすらある。
イギリス自身もそのことに関しては、幸か不幸か記憶が飛ぶ性質ではなかったために、自覚していた。思い出すたびに穴があったら入って隠れてそのまま埋まってしまいたいと感じるほど、恥べきことであるとは、常々思っていた。
もちろん直したいと思っているが、酒癖というのは寝相と似たようなもので、直したいと願っていてもすぐに直せるものではない。自分の酒草の悪さを意識はしつつも、結局は現状に甘んじているのが実際であった。
だがしかし、今日ほど自分の酒癖の悪さを恨んだことはないだろう。
イギリスは彷徨わせていた視線を、目の前で、むっつりと黙りこんだままそっぽを向いているアメリカへとやった。
「……おいアメリカ、なんでお前がそこまで怒ってるんだよ」
自室のソファに浅く腰かけ、窺うように問いかけるが、アメリカは言葉を返さずに、ひたすらコーヒーを啜っている。先ほどからほとんどこの調子だ。「それだけ怒っているんだぞ」というアメリカの意思表示なのだろうが、これではどうすればいいか解らない。
イギリスは、ひたすらに途方にくれながら、このような状況になった原因に思いを馳せた。
イギリス自身もそのことに関しては、幸か不幸か記憶が飛ぶ性質ではなかったために、自覚していた。思い出すたびに穴があったら入って隠れてそのまま埋まってしまいたいと感じるほど、恥べきことであるとは、常々思っていた。
もちろん直したいと思っているが、酒癖というのは寝相と似たようなもので、直したいと願っていてもすぐに直せるものではない。自分の酒草の悪さを意識はしつつも、結局は現状に甘んじているのが実際であった。
だがしかし、今日ほど自分の酒癖の悪さを恨んだことはないだろう。
イギリスは彷徨わせていた視線を、目の前で、むっつりと黙りこんだままそっぽを向いているアメリカへとやった。
「……おいアメリカ、なんでお前がそこまで怒ってるんだよ」
自室のソファに浅く腰かけ、窺うように問いかけるが、アメリカは言葉を返さずに、ひたすらコーヒーを啜っている。先ほどからほとんどこの調子だ。「それだけ怒っているんだぞ」というアメリカの意思表示なのだろうが、これではどうすればいいか解らない。
イギリスは、ひたすらに途方にくれながら、このような状況になった原因に思いを馳せた。