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それはどういう意味ですか?

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「あっ、すみません、僕寝ちゃって・・・」

ここまでの経緯を思い出し慌てて目を開けたが・・・。その瞬間、僕の時間は止まった。
四木さんの顔が目の前にあったのだ。
鼻と鼻が触れそうになるくらいに、お互いの息がかかるくらいに、四木さんの瞳に僕が映っているのが見えるくらいに。
あまりにも近かったので四木さんの顔全体は見ることができず、ただその瞳に釘づけになった。

え、なんでそんなに顔近いんですか?

そんな疑問が頭に浮かぶと同時に我に返った僕は全力で身体を引いた。しかしそれはソファに少しだけ深く沈んだだけであって、距離的にはあまり変わらなかった。
でもそんな僕の行動がきっかけとなったのか、四木さんはそれまで屈んだ状態から立ち上がったので僕と四木さんとの距離は一気にあいた。僕の左頬に触れていた手も外される。
ほっとしたものの、まだ心臓の鼓動は早く頭は混乱している状態だ。

「ずいぶんと待たせてしまったようで、申し訳ありませんでした。仕事が思ったよりも手間取ってしまったもので」
「あっ、えっ、いえっ、お仕事無事終わったんですね!」
「おかげさまで。お詫びと言ってはなんですが夕食をごちそうしますよ。本当はお茶にでも誘うつもりだったんですが、今からならそちらの方がいいでしょう」

気付くと部屋は薄暗く、ブラインドの隙間からわずかに夕日が差し込んでいた。思っていたよりずっと寝ていたらしい。

「あの、でも悪いですよ、そんな・・・」
「今回はこちらが悪いんですから気にしなくていいですよ。なにか食べたいものはありますか? 特にないというのならこちらで決めますが」
「あ・・・・・・、はい・・・」

僕とは正反対に四木さんは落ち着いた様子で、何事もなかったように僕の荷物を持って出かける準備をととのえている。

(さっきのには深い意味はなかったんだ・・・よね?)

今更なぜあんなに顔を近づけていたのかなんて聞けるはずもなく、僕は先ほどのことは忘れることにして、部屋の外に出た四木さんのあとを追った。

◇◆◇◆◇

「そう言えば、先程はよく眠れましたか?」
「えっ、あはは、すみません・・・、あのソファ座り心地がよかったのでつい・・・」
「寝顔もなかなかかわいかったですよ」

(・・・・・・いや、空耳だ。今の言葉はきっと空耳だ、深く考えちゃだめだ。スルーだ、スルー)

四木さんの何気ない言葉に再び固まりかけたけれど、気のせいだと自分に言い聞かせてどうにか回避した。しかし・・・。

「ああ、でも」
「でも・・・?」
「できれば起きるのがあと5秒ほど遅かったらよかったんですけどねえ」

四木さんの意味深な発言でやはり固まってしまうのだった。