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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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結婚狂騒曲2

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郊外ののどかな風景を走ることしばし、車はとある屋敷に入ると停車する。どうやら資産家の別荘のようだが。趣味がいい。コロニアル調の屋敷を囲む林野は自然のままに。さりげなく配置された庭木と調度品のバランス。上品でいて、くつろげる空間だった。
「獄寺くん、ここって・・・」
ツナヨシの問いに答えるかのように、屋敷の持ち主が駆けてくる。
日の光にキラキラと輝くハニーブロンドの長身。文句ナシのお金持ちにして、品性の持ち主。
ツナヨシの兄弟子にあたる、通称『跳ね馬』こと、キャバッローネファミリーのボス、ディーノだった。
「ツナーーーー!よく来たな!」
「はい、跳ね馬のアジトの一つです」

「ツナ!久しぶり。元気だ・・った・・・か?」
車から降りるツナヨシたちを出迎えに駆けつけたディーノだったが、純白の衣装のツナを目にすると、言葉をとぎらせ、絶句。
したかと思いきや、
「よし、幸せな家庭を築こうな!」
がしっとツナヨシの手を握り宣言する。
が、そのとたん
「何勝手なこと言ってやがんだ、跳ね馬」
「オレも遠慮してほしいのな」と即座に獄寺がダイナマイトの火をつけ、山本が時雨金時をキラリと抜きさる。
「・・・冗談だ。獄寺、山本」
「もう、二人ともやめてよ。ディーノさん、迷惑かけてすいません」
「いや、ツナならいつだって大歓迎だが、その格好は・・・」
「はは、また先生が暴走しまして」
「はは、そっか。リボーンがな。そりゃ、しょうがねーな」
以前にリボーンの無情な家庭教師を受けていたディーノは、それだけでなにやら悟ったようだった。はははと互いに乾いた笑いを浮かべる、生徒たちの背後にはいっそすがすがしいほどに『諦観』と書いてあった。
「ってことは、この後あいつも来るってことだな」
「おそらく、そうなりますね」
「ははは。まあいいさ。好きに使ってくれ」
「ついでに、うちの暴走部隊も十中八九、現れます。
リボーンがケンカ売ってたんで」
「ははは、いいさ、いいさ、もう、なんでも来い」
「・・・すいません。請求書はボンゴレ本部に送ってください」
不幸にも、今後の展開を予想できてしまったディーノは、いっそ清々しいくらい諦めの笑みをうかべている。先ほどまでのキラキラしい姿とはうって変わって、生命力に欠いたディーノの姿に家庭教師と旧友たちが彼に及ぼした苦難の数々を悟ったツナヨシだった。

「十代目、安心してください!たとえ誰が来ようとも、オレが必ずお守りします」
「それに、こっちの援軍もそろそろ着く頃だしな」
「援軍?他にも誰かよんだの?」
「ええ、まあ・・・援軍になるかは微妙な所ですが」
「はい?」
とそこに土煙をまきあげ突入してきたのは、真っ赤なスポーツカー。急停止すると同時に中から人影が飛び出てくる。大小の凸凹コンビ。
「沢田――――!極限助けにきたぞ!!」
「なははは、ランボさん登場なんだもんね!」
「・・・・まさか、援軍ってコレ?」
「遺憾ですが・・・」
「他に手の空いてるヤツいなかったんだよなー」
「ま・・・まあ、このアジトは最近買ったばっかだし、アイツらもそう簡単には見つけらんねーって。そう悲観するなよ、ツナ」
散々な言われようだが、何も考えず大業をブチかますド・ピーカンの笹川了平と、泣き虫ランボ。この展開では歓迎できかねるメンバーなのも確かだった。
「むむ、何をごちゃごちゃと言っている!素直に喜べ沢田!」
「そうなんだもんね!ツナ!ランボさんプンプンなんだもんね」
「先ほどまでルッスーリアとトレーニングしていたのだがな。沢田の危機と聞いて極限参上したのだ!ルッスーリアも誘ったのだが、なにやら仕事が入ったようでな」
「え゛、ルッスーリアに仕事ってことは・・・」
「ザンザスのやつ、ヴァリアーの幹部を投入する気かよ」
「ってことは、もしかしなくても、マーモンも?」
「だな。あいつが動くとなると、この場所もすでにバレてるのなー」
「・・・・そんな、安息の地が」
山本の宣告にがくりと肩を落とすツナヨシだった。
しかして実際に、優秀すぎる追跡者たちの魔の手はすぐ側まで迫っていた。突如、屋敷の正門が爆発したかと思うと、美しく装飾がほどこされた門扉(故)をぶち破り、突入してきたのは

――――恐怖の『人間災害』たちを乗せた三台の車だった。


次回更新予定日:2010.09.25
作品名:結婚狂騒曲2 作家名:きみこいし