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認めてしまった。後悔?はは!してますよ!

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すみません世界の神様。僕はいったいなにをしたのでしょうか。
謝ります。もう土下座でも何でもしてやるよ。
だから、すみません許してください。
この目の前のイカレタ人間抹殺してください。

「帝人君!どうどう可愛いでしょ!」

くるりくるりと回るこの頭のイッタ人をどうしてみんな可愛いとか綺麗とか褒めながら素通りしていくんだろう。
ありえないでしょう。いや、今現在あり得ているのだけれど。
可愛いって・・・。このゴミみたいな人のことだよね?
みんな目に何かおかしなフィルターでも掛かってるんじゃないですか。
だからこの人を可愛いとか抜かせるんですね分かりました。
それに、僕の記憶がおかしかったのでしょうか。この人確か生物学上は男でしたよね?
あれ・・・。それとも僕の記憶違い?本当は男じゃなくて・・・。
いやいや。男だったし。お風呂一緒に入ったときあれ付いてたし。だったらこの人は本当に頭おかしくなったんだろうか。
来良の女子制服を華麗に着こなし、カツラだろうなぁと思う長い髪の毛をたなびかせて、くるりと回っているこの人間はなんだろう。
回る度にスカートがフワリと浮いて、ニーハイから覗く白い太ももが少し露わになる。
あ、頭痛がしてきた。痛いなぁ。こめかみを押さえてもずきずき痛むよ。あははは、この目のゴミを何とかして欲しい。

「み、か、どくーん?どうしたの?あ、もしかして俺の制服姿拝めて福眼とか?あは!目の保養とか思ってたり」

「してません。するわけないでしょうバカじゃないですか」

「帝人君が冷たい・・・」

およよとか何時代?そんな嘘泣きでよく生きてこられましたね。泣くならちゃんと泣けばいいのに。
あ、ちゃんと泣かれても面倒か。
というか、この人は毎度の事ながら煩いですよね。
テンションが高いというか・・・。
ため息が途絶えたことないよ。

「折角帝人君のためにおしゃれしてきたのに・・・メイクだって波江に教わって頑張ったのに」

「・・・もうなんだか言葉に出来ないです」

教えてもらったって・・・。良く教えてくれましたね波江さん。
普通は厭がるでしょう。それとも、あの人のことだから楽しんでるのかなこの僕に嫌がらせできて。
僕が何度目か本当に分からないため息をつきかけたとき、外野のざわめきが耳をかすめた。

「ねぇあれ・・・」

「ちょっとヒドイよね」

「彼女じゃないのかよ」

「男としてサイテーだよな」

僕は驚き当たりを見渡す。すると周りにはひそひそと僕たちに視線を向けてくる人垣の群れが。
え、なにこれ。もしかしなくとも僕が悪者?ちょっとなんでですか。

「ヒドイ帝人君・・・」

およよと泣き崩れるマネをする18歳の折原臨也。
本当にはた迷惑ですよね。
およよって何時代ですか。バカじゃないですか。
それに騙される外野も外野だ。僕が悪いみたいにひそひそと。
いつもだったらこの男が泣いていようが叫んでいようがまただよ、と言う顔をするくせに。
姿形が違うと人間ってここまで認識が変わるものなのか。ほう、勉強になりました。

「帝人君が褒めてくれると思って私、初めて女性雑誌買って頑張ったのに・・・!」

この男、いま一人称を『私』にしたな。いつもなら俺だろう。
今の一言で決定した。外野が凄く冷めた非難の目で僕を見て、臨也さんを哀れみの目で見つめている。
あぁ、もう本当に最悪。絶対初めて雑誌買ったとか嘘でしょう。というより制服着ている時点でその雑誌、意味ないじゃないですか。
気がつけよ外野。本当に臨也さんみたいに顔が綺麗だって特ですよね。泣いたら誰でも絆されるとか思ってるんでしょうかね。あぁむかつく。

「うぅっ・・・」

さて、ここで問題です。この男をここでなぐさめたらどうなるでしょう。答え、つけあがる。
第二問。いつもと同じようにばっさり切ったらどうなるでしょう。答え、野次馬からの誹謗中傷が煩くなる。
・・・僕にどうしろと。

「み、帝人君が褒めてくれると思ってっ・・・!」

嗚咽まで零し始めたよ。何なんだよこの人。本気で面倒なんですけど。
しかもこの面倒な人以外に面倒なのが外野だ。

「あ~あ泣かしちゃった」

「ひっどぉ~い」

「何様だよあいつ。あんな可愛い子泣かしてさ」

煩いですね。僕様ですが何か?とか言ったら更に誹謗中傷なんだろうなぁ。面倒だなぁ。
どうして今日に限って静雄さんがここを通らないのだろう。全く間が悪いというか何というか。
あ、静雄さんにまで苛々してしまった。自重自重。

「帝人君なんてっ」

今、スッキリ忘れてた。きっと僕の思考回路が現実を拒否したんでしょうね。そうにちがいない。
しょうがない・・・。僕は吐きたくもないため息を吐いて嘘泣きしている臨也さんの手を掴むと、思いっきり走り出した。
もちろん、走り出す前にどこの人垣が突破しやすいのかは確認済みだ。

「ちょっ帝人君!?」

「良いから走って!」

僕はがむしゃらに走り出す。あそこにいたら言いたくもない言葉を言わされそうだったから。
あぁもう!僕は運動苦手なのに!
ちらりと肩越しに後ろを振り向けば、にやにやと嬉しそうに笑っている臨也さんが目に入った。何がそんなに嬉しいですか気持ち悪い。