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認めてしまった。後悔?はは!してますよ!

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ようやく人がまばらな、きっとさっきの大騒ぎ?を知っている人間などいないであろう場所に来られた。
荒くなった息を整えたくて、僕は肩で息をする。臨也さんを見るとニコニコと笑っていて、さっきまで全力疾走をした人間だとは思えない。なんだこの体力の差は。

「大丈夫?帝人君」

「はぁはぁ・・・、いざやさんには・・・、だいじょうぶに・・・みえ、るんですか?」

こてりと小首を傾げてフワリと笑う。

「みえなーい」

かちんと来た僕の精神は正しいと思う。

「その言い方すごくむかつきます」

「うん、むかつくと思ったー。でも実際に言われると甘楽、辛いw」

上目遣いでならなんでも可愛いと思っているのか。大抵の男はひっかかるのかもしれない。例えニヤニヤと笑っていたとしても。
だけど、僕は違う。そんな目で見つめられたら逆に気持ち悪いわ。つけあがるなよこのネカマ。

「帝人君目が笑ってないよ」

「心から笑ってませんからしょうがありませんね。そんなに僕に笑って欲しければ今すぐ僕の目の前から消えてください。
因みにここで泣き崩れても先程のようになりませんから」

「帝人君がつめたーい」

「貴方に優しくできる心などとっくの昔に捨て去りました」

「甘楽、泣いちゃう・・・!」

「泣くなら泣けばいいでしょう。僕はもう帰ります」

これ以上この頭がどうにかなっている女装男の傍にいたくなくて僕は身を翻す。
その瞬間、腕に強烈な痛みを感じた。自分の腕を見て掴んでいる人のを辿っていけば案の定。

「痛いです離してください。なんですか暴力行為で訴えられたんですか」

ぎりぎりと力任せに掴まれている腕が悲鳴を上げる。流石あの静雄さんと殺りあっていることだけのことはありますね。
臨也さんは僕の言葉などまるで聞こえていないかのように笑顔で話し出した。
まぁ、十中八九聞こえて何だろうな。自分に都合の良い言葉しか聞こえない耳を持っている人だから。

「俺ね、本当に君に構って欲しくてこんな格好したんだよ?恥ずかしさだって一応人並みに持ってるし。波江にバカにされたときなんてホント、憤死ものだったんだから」

「・・・・それで?」

「ねぇ?どう?だって帝人君女子には優しいじゃない?男には手厳しいくせに。
園原杏里の前だといつもニコニコしているし。美香と楽しそうに話してるし。あの餓鬼、茜だっけ?とは仲良く遊んでるじゃん」

「だから、それと女装とどう関係があるんですか」

本当に頭のねじがぶっ飛んだ人間の思考回路が分からない。何言ってるんだこの人。
そもそも女の子に優しくするのは当たり前じゃないか。何故に男に優しくしなければいけいないだ。気持ち悪い。

「だ か ら!!女の子になれば帝人君が優しくしてくれるでしょ!?」

「はぁ!?」

僕の耳の聞き間違い?なにそれ。バカじゃないですか。あぁ、バカだったんだこの人。
学年主席とか言われてるけど、実際はバカだったんだな。そう言えばバカと天才は紙一重とかいうけど、まさにこの人のことなのか。そうかそうか。

「女の子になって俺も帝人君に優しくされたかったの!」

「もう、言葉に出来ません・・・」

呆れてものも言えないとも言う。あぁ、どうしてこの人はこうも極端なんだろう。

「・・・帝人君、俺、じゃなかった、私可愛い?」

「可愛いって・・・」

今度は不安な顔で揺れる瞳で上目遣いか。あ、もしかしてさっき雑誌買ったって言ってたけど、あれ本当だったりして。
で、そこの雑誌に男の堕とし方でも書いてあったのかも。

「ねぇ、帝人君」

スカートの端をギュッと握って、唇を一文字に結んで、さっきまでの威勢はどこへ行ったんですか臨也さん。ちょっと不気味ですよ。
あ、今更だけどニーハイとスカートの間から覗く足はそこら辺の女子高生より綺麗なんじゃないのかなと思ってしまた。

「何か答えてよ・・・」

「臨也さん」

僕が名前を呼ぶと肩をビクリと振るわせた。え、何これ。女装して心まで女になっちゃった、とか?
えぇぇぇ!?うわぁ・・・顔は良いから本当に女の子に見えてきた!何このマジック!?

「えっと・・・その」

「はっきりしてくださいよー!」

「逆ギレ!?」

「ち、ちがっ!んもういいから!早く答えてっ」

何だろうこの展開。お互いが焦っててんぱって。あたふたしている。おかしい。いつもと全然違う。
やっぱり姿形が違うとこうも心理的に違う物なのか!あぁなんだろう凄く恥ずかしいんですけど!?

「いえ、だから・・・その」

あまりにも恥ずかしくて、気を紛らわそうと頬をかく。視線を彷徨わせる。
だけど、臨也さんからの視線が痛いほど僕に向けられているのが解る。
あぁもう!どうにもなれ!ここにいるのは女の子!女の子!ちょっと頭がおかしい見た目は可愛い女の子!

「か、かわい・・・い、・・です、よ」

穴があったら入りたい。穴が無くとも入りたい。

「・・・・嬉しい」

「はい?」

「滅茶苦茶嬉しい!帝人君がデレたーーー!!」

「ちょっ、声が大きいですよ!」

「帝人君がデレたーーー!!俺マジ嬉しい!!もうこれからはこの格好でいくから!!何だったら今度はミニボトムで!」

「はぃぃぃ!?」

「フリルの付いたワンピでも良いよね!あ、でも胸が強調されるやつは無理か。パットでも詰める?う~ん」

「何本気で悩んでるですか!?」

「あ、帝人君って確か女の子らしいかっこうが好きなんだよね!任せて!波江に聞いて俺、じゃなかった!私頑張るわっ」

あぁ、だめだ・・・・。この人・・・。とうとう行っちゃった。話通じないし。何ですかその笑顔。
デレたって・・・。大声で言うなよ。恥ずかしいだろう。

「ふふん!次の日からこの格好で学校行こうw」

「は・・・?」

「帝人君に褒めてもらったこの格好を私が捨てるわけないでしょっ!」

「何いってんのこの人!?」

「そうと決まったらこれから女物の服を買いに行かないと!ほら行きましょっ帝人君!!」

「ぎゃー!?腕を引くな!ひっぱるな!連れていこうとするなっ」

「んもう!照れちゃってw」

「照れてませーん!!!」

一瞬でも可愛いと褒めてしまった自分、ちょっとこっちへ来い。今すぐボールペンで刺してやる!!



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なぁなぁ帝人!あの美人さん誰!?お前の知り合い!?ずっとこっち手振ってるけど!
・・・うるさいばかおみ。あれが美人だというのなら今すぐ眼科へ行ってこい。
帝人・・・?
あれ、折原臨也さんだよ。気が付け。
!?!?!?!?
みっかどくーん!一緒に学校いきましょー!