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あぁ、これは夢に違いない
ふるる、と目の前の存在から必死に目を背けながら必死に脳内で現実逃避をする。

しかし、目を閉じていくら頭を振ってみたところでその目の前の存在は消えてはくれなかった。


ふわふわとした、しかしさらりとした流れるような髪。
目尻が少し下がり気味の、円らな瞳。
少し勝気に微笑んでいるが、それがまた可愛らしい、と思えるような容姿。

目の前でふよふよ、と浮遊するその存在は、きちんと背中に妖精の翼を持っている。

それだけなら、可愛らしい妖精だなぁといつものように仲良くしようとするだろう。


ただ、問題なのは。

今まで見たことのない妖精であるのともう一つ。


自分の隣国の幼い時代の容姿をしていることだった。




ジリリン、と鳴り響く電話に反応することもできず。
手から零れ落ちるティーカップに反応することもできず。


衝撃を受けているイギリスに、その幼き時代のフランスの容姿をした容姿をした妖精は
こてり、とこれまた可愛らしく首をかしげてみせた。